第89話 深層のダンジョン踏破
15階層でハヤトが今までで対戦した中の最大,最強のアンデッドであるリッチキングのグレートと対峙したが、意外に話が通じる相手でハヤトに敵意を全く抱かない。
それどころかハヤトに『神剣リザルソード』を与えてもらい、すんなりと40階層迄踏破できた。
41階層迄きている。
41階層は平原にワイバーンが3匹いる。
セリーヌが『連射の弓』を引いて矢を放つと3本の矢はワイバーンの顳顬に当たり頭部を破壊して一瞬で3匹が死んだ。
セリーヌも『連射の弓』の威力に少々驚いている。
「セリーヌ、ここにきて魔力と弓術のスキルが伸びたせいで『連射の弓』の威力が格段に上がったようだね」
「これって、今までの討伐した経験値が成せる技ですか?」
「そうだと思うよ、元々セリーヌは高い能力を保持していたので、なかなかレベルが一定に達していたため上がりにくかったけど随分経験値が増えたので遂にスキルと魔力が大幅に上がったと思うなぁ!」
そういうとセリーヌは「ステータスオープン」と口ずさんで自分のステータスを確認してみる。
セリーヌ:エルフ王女 年齢? ハヤトの妻 ”滅亡の弓手” ”連射の弓”のマスター
全精霊の加護 全精霊術レベル限界値越え
【魔法】全魔法特性
<火魔法> レベル10万
<水魔法> レベル10万
<土魔法> レベル10万
<光魔法> レベル10万
<無属性魔法> レベル10万
【魔力】(MP):測定不能
スキル 【鑑定】レベル10万
【瞬足】レベル10万
【シールド】レベル10000
【耐毒】レベル10000
【耐熱】レベル10万
【耐寒】レベル10万
【弓術】レベル10万
【剣術】レベル10000
冒険者クラス:SSSクラス
セリーヌは自分のステータスを見て唖然として言葉が出てこない。
「旦那様、なんなんでしょう?この馬鹿げたステータスは・・・」
「私も完全に人外になってしまいました!」
「今頃気がついたの?僕は随分前から知っていたよ」
「41階層でセリーヌのステータスを確認していて時間をとったので42階層辺りで魔物を狩ったらそこで夕食にしようよ」とハヤトが皆に声をかける。
「「「「了解しました」」」」
42階層は大きな湖があるステージだ。
湖の周りは砂地で特に魔物が地中に潜んでいる気配はないが、湖にケルピーが4匹潜んでいた。
ケルピーはスープにすると美味しい食材だがCランクのモンスターだ。
湖面から飛び跳ねる瞬間を狙ってラッティーが辛抱強く待ち構えて、【エアカッター】で1匹2匹と刈り取り、2時間ほどして4匹全部を刈り取った。
更に水龍が1匹いて、こちらの湖岸を伺っている。
セリーヌが水の精霊ウンディーネと風の精霊シルフを召喚して竜巻を起こさせて水龍を湖岸に打ち上げさせて、ドリスが剣でとゞめを刺して【次元収納ボックス】に回収した。
ハヤト達は『万能乗用車』を出し、ドリスが夕食を準備して、湖の岸辺でバーベキューをして食べた。
『スラ』も『イム』もすごい食欲でマナバイソンの焼いた肉を食べてプルプル震えて喜んでいる。
ラッティーもB・Q形式でこうして皆と食べるのが初めてで楽しそうに食べている。
夕食も終えて、『万能乗用車』の中でハヤト、セリーヌ、ラッティーの順でお風呂に入り、三人はベッドに入って寝ることにした。
ドリスが運転席で【サーチモニター】を見つめ、車の上にはガードマンとアレンが座り、車には【結界】と魔物避けの魔法陣を配置して側の植物の葉にキラービー3匹が止まって羽を休めている。
早朝、朝練を車から出ていつものようにしたのち、ドリスが朝食を用意した。
「今日は43階層から出来るだけ下層まで行くから頑張ってね!できたら今日中になんとか踏破したいな」とハヤトが掛け声を掛けて出発した。
43階層から50階層は特に強い魔物もおらず最後のボス部屋のヒュドラも問題なく討伐して宝箱からマジックアイテムの『清水のカップ』を手に入れて51階層に向かった。
60階層のボス部屋にきている。
ここにはかなりの魔力を感じて入ると黒龍がいた。
ハヤトの肩から銀龍が飛び立ち、黒龍が火炎咆哮を吐く前に、頭を噛み砕いて食いちぎった。
素材を【次元収納ボックス】に入れて宝箱を開ける。
中には『エリクサー』が一つ入っていた。
高級ポーションはハヤトファミリーには必要ではないが、あるに越したことはない。
早々、回収して更に下の階層に向かっていった。
61階層そこはゴロゴロと岩だらけのステージに巨大な岩竜が2匹もいる。
通常の岩竜の約2倍ほどある。
ここはハヤトと銀竜の出番だ。
ハヤトが巧みに岩竜が吐き出す岩礫をかわしながら岩竜の上に乗った。
両手で甲羅の上から気合いもろとも掌底破を放った。
硬い甲羅を突き抜けて内臓を破壊して物凄い悲鳴をあげる岩竜、しばらく苦しんでいたが全く動かなくなり首が垂れてしまっている。
一方銀竜は硬い甲羅を上から勢いよく落ちてきて、硬い甲羅を4ムンカツの感じで罅を入れて更にもう一度上から落ちてきてぐしゃっと甲羅が陥没して内臓が甲羅と腹の間からドロドロと出てきてしまった。
ハヤトが出てきた内臓を全て焼いて、【次元収納ボックス】に入れた。
62階層は密林ステージにウォーターベアが2匹、ポイズントード(毒ガエル系魔物)が2匹いる。
ウォーターベアはなかなか剣が通らない硬い毛で覆われた凶暴な魔物だ。
ラッティーが頭部に【ファイアボール】を2連発を放ち2頭のウォーターベアを瞬殺してしまう。
ポイズントードはドリスが切り捨てて2匹とも数秒で秒殺し回収する。
63階層はオーガキングと配下のオーガー3匹をガードマン、ラッティー、アレン、ドリスが出て、剣で首を切り落として行く。
最後に残ったオーガキングはラッティーに殺意を向けて大剣を振り落としてくる。
ラッティーは軽くかわして裏を取り、オーガキングを先ず打ち取って、後は配下の3匹のオーガーはドリス、アレン、ガードマンがそれぞれ1匹づつ殺して回収する。
64階層はミノタウロスが大剣を持って襲いかかってくる。
セリーヌが『連射の弓』で3本の矢を放ち、両目と額に見事当てて、爆殺した。
首から上が吹っ飛び一瞬で死に、回収した。
65階層はボス部屋だ。
ゆっくり扉をラッティーが開けるとそこにはヒュドラがいた。
ラッティーは左手に『風の魔剣ダガー』、右手に『炎の魔剣ダガー』を構えて【瞬足】を使い、一気に間合いを詰めて炎を吐き出す首を切り落とし、ガードマンが魔剣『霞』で切口を焼いて再生を防ぎ順番に9本の首を切り落とした。
そばには宝箱があり、罠を確認してゆっくり開けると、又もや『エリクサー』が入っていた。
ハヤトファミリーにはもう、これ以上必要では無いが、他の冒険者仲間達だと喉から手が出る程欲しいポーションなので【次元収納ボックス】に回収した。
宝箱のそばにはダンジョンコアもあり、ここが"深層のダンジョン"の最下層だとわかった。
転移盤に全員が乗って入口に戻ってきた。
外は既に空が茜色に染まっていた。
ソルムドの冒険者ギルドに"深層のダンジョン"踏破を伝え、その日はソルムドの宿に泊まる事にした。
幸い部屋はダブルが一部屋、シングル一部屋おさえられたのでハヤトとセリーヌがダブル、ラッティーと『スラ』『イム』がシングルの部屋割りで一旦落ち着いて、それぞれシャワーを浴びてから食堂で落ち合った。
三人は定食を頼み、『スラ』と『イム』にはオークの照り焼きを2人前頼んであげる。
いつもの事だがセリーヌとラッティーは目立つので、【認識阻害魔法】を施して目立たぬ様に食事していたが『スラ』と『イム』が目立ってしまい、冒険者風の男性3人に絡まれてしまった。
「おい、お前、汚ぇ最弱スライムを従魔何ぞにしていきがってんじゃねぇ!」
「最弱って、君たちよりかは遥かに強いよ、ドラゴンよりも強いからね」
「何寝ぼけた事言ってるんだ!ドラゴンより強いスライムがいる訳がねぇーだろ」
「まぁ、相手の力量も分からない輩に言ってもしょうがないか!」
「それで何の用事かな?僕らは静かに食事したいのだけど・・・」
「目障りだから消えろと言ってんだ!」
「そう言う君達の方が目障りで鬱陶しいから、食事が済んで居るなら向こうで酒でも飲んでいたら?」
ハヤト達は無視して食事をしていると、いきなり男の一人が剣を抜いてテーブルの食べ物を叩き落とそうとした。
ハヤトは片手で剣を掴みパキッと折って、既に食べ終えた『スラ』と『イム』に3人を外に追い出すように言った。
"殺さないで、恐怖を与えるだけで良いからね"
"解りました!ご主人様"
プルプルと男達に寄って行くスライム夫婦。
男達は剣を抜いて斬り掛かるも全く動じない。
1メートル程に大きくなり、『スラ』が二人の男性を、『イム』が一人を宿の外迄包んで連れ出し、剣を溶かし、次いでに3人の片足を膝から下を溶かしてルンルンのノリでプルプルして戻ってきた。
外では男達の叫び声が暫く続いていた。
食事を終えたハヤト達はそれぞれ部屋に戻って早目に寝た。
翌朝朝食を食べ終え宿を出ると、昨夜絡んで来た男達の仲間なのか、5人程増え昨夜の男達は松葉杖を使って後ろにいた。
「昨日は仲間が随分世話になったようだな!落とし前をつけて貰いに来た」とハヤト達を取り囲んだ!
丁度その時ドリス達が来て8人を吹き飛ばし、8メートル程飛ばされて全員が気絶してしまった。
ハヤトファミリーは何事もなかったかのように『万能乗用車』に乗り込み浮上してケープに向かった。
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