第25話 護衛依頼で王都まで

朝練をいつものようにすぶり5000回、示現流紅の型を『白兎』で行い体術の型も済ませて瞑想を始めて魔力を何回か放出して納得して、終えた。


きょうは商人6人を王都まで護衛する依頼を受けて出かける日だ。


キラービーと銀龍にきょうから出かけるから一緒に行くよと念話で伝えた。


朝食は簡単にウィンナーソーセージ5本ずつ、アスパラベーコン巻き3本ずつ、目玉焼きにクロワッサンとコンソメの野菜スープでお腹を満たして、外に出た。


『万能乗用車』の運転の後半はアレンにやってもらうつもりだが、最初はハヤトが運転をする。


全員が『万能乗用車』に乗り込んだ。


『万能乗用車』にはキラービーと銀龍も後ろの座席に着いた。


その前の座席は両サイドにドリスとアレンが座り、前の運転席の隣がセリーヌだ。


冒険者ギルド前に7時半に着いて、待っていると3人組の女性陣の冒険者達が来てお互い挨拶を交わす。


「私たちは”紺碧の空”のパーティーでCランク、王都中心に活動している。リーダーは私オードリーで剣が得意、そしてこちらがアナベルで魔法師、そしてこちらがカミラで斥候でシーフ担当」


「どうも初めまして、私たちは”熱き絆”の私はセリーヌでアーチャー、こちらが旦那様のハヤトでパラディン、ランクAです。あとメイドのドリスがランクB、執事のアレンがランクBの冒険者です」


「ええ? ご夫妻はAランクなの?」


「そうですが?回復魔法も旦那様ができるので問題ありませんよ」


「それじゃ、セリーヌさん達が先頭を行ってもらえるかな?」とオードリーが言う。


「はい、わかりました」そう言って、ハヤト達の車が先頭に出て、商人達の2台の馬車が次に入り、冒険者3名がしんがりを務める布陣でいく。


商人達6名とも挨拶を終え、商人の6名のリーダーがアーロンと名乗り、「ハヤト様とセリーヌ様のお噂は王都でも評判になっておりますよ。この度は安心して王都までいけそうです」と言っていた。


「アレンそれじゃ出発しまーす!運転の仕方を覚えてね」とハヤト。


『万能乗用車』は徐々に速度をあげて走り出した。


すぐ城門になり、ハヤトが車の窓を開け依頼書と冒険者カードを見せて、通過して行く。


2時間ほど何事もなく平原から森に入って行く。


森に入って5分ぐらいすると、ファングウルフの群れが30匹程現れた。


アレンが車から飛び降りハヤトは車を止めて、セリーヌが車から降り、弓で10匹を纏めて連射で頭を射る。


アレンとドリスが剣で瞬殺していき5分ほどで30頭を刈り取って回収した。


更に進むとサウンドラーが出た。


ハヤトが簡単に『白兎』で首を切り落として回収したしたが、しんがりの連中が3人ともサウンドラーの鳴き声にやられて震えが止まらない状態異常になってしまい、ハヤトが【回復魔法】をかけてやるとやっと元に戻り落ち着いた。


再び少しスピードをあげ森を早く抜けようとひたすら走る。


森を2時間弱程して抜けるとロゴニーの街が見えて来た。


ハヤトが城門の兵士にギルドの依頼書を見せて、冒険者カードを見せるとすんなり入れて3台の馬車と1台の車、『万能乗用車』はロゴニーの街に入った。


3人の冒険者は馬車を冒険者ギルドの脇にある厩舎に入れ、ハヤト達は厩舎側の空き地に『万能乗用車』を止めて、キラービートと銀龍は車内の後部のデスク、ドリスとアレンも座席で待つことにした。


それぞれ、集合時間を1時出発に決めて、其々贔屓の店に別れて行った。


ハヤトは以前護衛依頼でシンシアさんに連れて行ってもらった定食屋にセリーヌと入る。


「親父さん、定食二つ」


「はいよ、銅貨20枚ね」


ハヤトは財布から銅貨20枚を渡した。


直ぐにマナバイソンの鉄板焼きが来て、ケルピーのスープ付きでパンが食べ放題で

サラダも食べ放題だ。


セリーヌはサラダ食べ放題がえらく気に入ってこの定食屋は覚えておこうといって何やらメモしているようだった。


ロゴニーの冒険者ギルドの前に集合して、今度はアレンが車の運転をすると言って

運転席の隣にはドリス、その後ろにハヤトとセリーヌが座った。


前回はロゴニーを出て2、3時間後に強盗団に狙われたが今回はそんな襲撃もなく

夕方より少し早めに平原に野営すべく、ここにキャンプを張ることにした。


商人達にここで野営する旨伝え、夜9時以降は馬車から10メートル以上は離れないように頼んだ。


同様に女性3人の冒険者達にも馬車から10メートル以内で行動してそれ以上は動けないと伝えた。


その代わり夜の警護、立哨など必要ないので朝まで休んで構わないと伝えた。


ハヤトとセリーヌは車の中で自宅と同じ食事をしている。


マナバイソンのステーキ250グラムに野菜スープとクロワッサンがセリーヌ、ハヤトはもちろんご飯だ。


野菜サラダはイタリアン風ドレッシンにして美味しく食べた。


キラービーも銀龍も車の外の屋根でゆっくり体を休めている。


ドリスとアレンは車の運転席に並んで座っている。


ハヤトとセリーヌは座席の後ろのパテーションで区切られたダブルベッドとお風呂

などが有るところにゆっくり二人で疲れを癒やして寝転んでいる。


何があるかわからないので車の中で【サーチ】はかけっぱなしにしてある。


【結界(バリア)】を商人たちの馬車も含めて掛けて3人の冒険者の所まで掛けてあげて保護する予定だ。


銀龍は『万能乗用車』の屋根に寝そべって夜を明かすそうで、キラービーも一緒だ。


商人の2台の馬車や冒険者の馬車は馬に餌を与えたり、水を与えたりと世話も大変だ。


その点、ハヤトの魔動車は世話が全くかからず、とても楽だ。


ハヤト達は9時以降【バリア】を3台の馬車全域にかけて魔物も強盗も来れないようにした。


ハヤトの【結界】を破れるものがこの世界には居ないのだ。


しかも世界樹の力も加わり【認識阻害】の力も周りに影響して、この3台の馬車の中はとても安全な空間になっている。


夜10時にはセリーヌと車の中のダブルベットで二人は抱き合って寝た。


朝少し早めに起きて車の側でバスターソードで5000回の素振りをすると【結界】に素振りの圧が当たりすごい風圧で【結界】とぶつかる衝撃波がくる。


次に『白兎』で示現流紅の型を行い、体術も行ってから瞑想に移り2時間ほどでやめてシャワーを浴びて朝食を準備し、【結界】も解いた。


卵焼きとウィンナーソーセージ3本づつ、ベーコン・アスパラ巻き3本づつ、野菜コンソメスープに野菜サラダ、パンはクロワッサンだ。


全て満足した二人は出発の準備もできた。


午前8時には動き出す。


まだ30分程時間があるがキラービー3匹に飛び回って周りの情報を調べてもらっている。  


特には問題なかった。


次の都市は王国三番目の都市グランデだがお昼頃着く予定だ。


野営地を動き出して30分ほどして、後ろから10人ほどの強盗団が馬に乗って追いかけて来てるようだ。


直ぐに停車して、商人たちの馬車に【シールド】をかけてやる。


3人の女性冒険者も迎撃体制を取った。


セリーヌが後ろに走ってくるなり弓をひいて5連を連射して一気に5人を瞬殺し、ハヤトの【ファイヤスプラッシュ】で残り5人が瞬殺。


3人の冒険者は何もできずに終わって驚いて居る。


10頭の馬を連れて行かなくてはならないので、ドリスが1頭の馬にまたがりドリスがもう1頭に乗り残りの4頭ずつ馬を引っ張っていく事にした。


ハヤト達は強盗団の死体は穴を掘って一瞬で灰にした。


再び『万能乗用車』はグランデの街に向かって走り出した。


少し早めに出たのもあり昼前にはグランデの城門に着き、冒険者カードに護衛依頼書を出してすんなり街に入った。


冒険者ギルド前を1時半出発と決めて別れた。


ハヤトは10頭の馬を売り飛ばして金貨20枚で売り払い財布に入れた。


あと、途中で狩ったファングウルフ30頭とサウンドラー1頭を冒険者ギルドに納品してウルフで銀貨45枚サウンドラーで金貨10枚を財布に入れた。


ハヤトとセリーヌはギルドに寄ったり、馬を売ったりして時間がないので車の中で

昼食を取ることにして、ハヤトが『美食の皿』でナポリタン2つとジンジャエル2杯を出して食べた。


スパゲティ・ナポリタンを初めて食べるセリーナは目をパチクリして驚いて居たが美味しい美味しいと喜んで食べてくれる。


今度はドリスが運転席、隣にアレンが座りハヤトとセリーヌが後ろの席に並んで座って前の護衛依頼の時はここの街に1泊したが今回は出来れば今日の夜にでも着きたいので先を急ぐことにした。


少しピッチをあげてグランデの街から出た。


街がどんどん遠くになって見えなくなった。


しばらくすると何やら空が五月蝿い。


『万能乗用車』のセンサーにハーピーの群れが映し出された。


ハーピーが我々の馬車の車列を狙っているようだ。


ここはセリーヌの出番とばかり、彼女は車の屋根に登り矢を構えて魔力を注ぎ4本の弓矢を連射してハーピーを一度に4匹撃ち落として回収した。


そして王都まであと1時間あまりのところで運悪くワイバーンが空から急降下で

近づいて来た。


3人の冒険者は為すすべがないのか商人達のところで身構えているが震えている。


銀龍頼むよ!と念話すると「お任せください、ご主人様」と言って40メートルを超える銀龍になってワイバーンを迎え撃つ。


ワイバーンはいきなり自分より強いしかも巨大な銀龍に慌てて引き返そうとするが

銀龍はすでにワイバーンの羽2枚を食いちぎり頭を【火炎咆哮】で溶かして撃ち落とした。


ハヤトは落ちて来たところまで【身体強化】をかけて回収しに行って、戻って来た。


その後は何事も無く無事に王都に着き、商人達からそれぞれのグループに金貨2枚

銀貨80枚を貰いサインしてもらった。


王都のギルドに護衛依頼の達成証明証を提出して素材置き場にハーピー4羽とワイバーン1匹の納品書をもらって再度受付に出した。


ハービー4羽で銀貨80枚ワイバーン1匹で金貨20枚だ。


「全てセリーヌのカードに入れてください」


「かしこまりました、討伐した魔物の金額を合わせて金貨75枚銀貨171枚銅貨40枚になりました」


護衛依頼のお金は財布に入れて、取り敢えず王都で1泊して帰ることにした。


ハヤトは以前泊まった”寛ぎの広場”に行き、ダブルの部屋に1泊とまれるか聞いた。


幸い空いており301号室で銀貨2枚ということで財布から払った。


『万能乗用』にはドリス、アレン、キラービー3匹と銀龍が残り、車内でのんびり一夜を過ごす事になった。



ハヤトとセリーヌは301号室に入った。


ハヤトとセリーヌは一緒にシャワーを浴びて愛し合って、合体。


夕食を食べに二人で階下に降りて行き夕食を頼むのだった。


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