私の「小説を書く」。

ヤチヨリコ

「私」

「私」

ペンを走らせると

「私」が走る


キーボードを叩くと

「私」が鍵盤を叩く


目が泳いだ「私」の

黒目の中には

何匹もの

青い鱗の魚が

ずっとずっと泳いでる


「私」の時は

止まったまま

ずっとずっと

消えていない


筆を折ったら

ようやく

「私」は笑って

息を静かに引き取った

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