聖女も勇者もお断り🙅

ピコっぴ

萌々香の場合Ⅰ

🚱1 プロローグ 木霊が返る森の中



「ステータス!!」


 ──タス、タス、タスス、ァス、ヮス、スゥ、スウゥ、ゥウゥ


 木々に囲まれた、森の中の開けた空間に、私の声が虚しく木霊こだまする。


 何も起こらなかった。


 おかしいな? こう唱えたら、名前や年齢、筋力とか生命力や魔力、習得可能特殊能力やユニーク技能スキルが一覧となって目の前に浮かび上がるんじゃないの?


 脳裏に映し出されるでもいいんだけど。


 逃げたのは早まったかな? いやいや、あのまま訳もわからず祀り上げられたり、結局間違いでしたと打ち捨てられたり拘束されたりするよりかはいいはず?


 私は、僅か小一時間で途方に暮れた。




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