第182話 マリンの想い

 実際の話、スタッフ居住区に住んでいる女達で、オレと体の関係が無いのはスーだけだ。

 スーは12歳の妖精族で既に成人しているのだが、見た目はどう見ても8歳の幼女なので性的な対象として見られないし、倫理的にもレッドカードな気がするのだ。


 マリンがスタッフ居住区に住むことになれば、顔を合わせる機会も増えるし、オレにとっては魅力的な美少女であり、そうなれば『英知の指輪』のスキル『魅了』が効果を発揮するのは避けられない。

 マリンがオレのことをどう思っているのか、トリンに聞いてみた。


「実は、私も気になって、マリンに聞いたことがあるんです」

 トリンの話によると、その時のマリンは真剣な眼差しで、オレを好きだと言い、もしそばつかえることができれば、とても光栄なことだと言ったそうだ。


 なるほど、そうだったのか。

 でもオレがマリンの想いを受け入れると『踊る銀ねこ亭』の女将おかみの娘を将来的に側妻そばめとすることになる。

 『それでホントにいいのか?』と何度も自問自答してみたが、マリンが心から望んでいるのであれば、何も問題ないと言う結論に達した。

 マリンは清楚な美少女で、頭の回転も早く将来有望な人材であり、この機会に正式にオレのスタッフに加えるのも悪くない。


「トリン、頼みがある。

 今すぐ、マリンをここに連れて来てくれ」


「えっ、今ですか?」


「うん、仕事中でも構わないからから、大至急!」


 オレはトリンにマリンを呼びに行かせた。

 暫くすると、トリンがマリンを連れて戻ってきた。


「カイト様、お呼びでしょうか」

 マリンは突然オレに呼ばれ、何か叱られる事でもしたかと思っていた。


「マリン、仕事中に突然呼び出してすまない。

 実は、確認したいことがあって来てもらったんだ。

 トリンがこの部屋に引っ越して、マリンの部屋から遠くなったから、マリンもここに住まわせて欲しいと言ってるんだ。

 マリンは、このフロアに住みたいかい?」


 マリンは唐突なオレの質問に、明らかに戸惑っている様子だったが、しばらく考えてからこう言った。

「もし可能でしたら、私もこんな素敵な部屋に住んでみたいと思います」

 マリンはよどみなく、ハッキリと自分の考えを述べた。


「マリンの考えは良く分かった。

 でも、このフロアに住むと言うことが、どう言う意味かトリンから聞いてるだろ?」

 オレは遠回しにハーレムのことをマリンに聞いてみた。


 予想もしないオレの質問に、マリンはトリンと顔を見合わせた。

 トリンが黙って頷くとマリンも無言で頷き、オレの方を向き直りこう言った。


「私は前々からカイト様をお慕いしておりました。

 お会いする度に胸が苦しくなって、少しずつカイト様に惹かれて行ったんです。

 でも私はカイト様に雇われている身ですから、自分の気持ちは抑えて仕事に集中しました。

 幸い、エミリアさんと言う素晴らしい指導者がいたので、客室係の仕事に全力を尽くし、お客様から褒めていただけるようになりました。

 それにアイドル活動もさせていただき、お陰様で充実した毎日を過ごせています。

 でも、カイト様をお慕いしている気持ちは、今でも変わっていません」


 マリンが、ここまで理路整然と自分の意見を言えると思っていなかったので、オレは彼女に新たな才能の片鱗を見た気がした。


「マリン、ありがとう。

 君の想いは、十分にオレに伝わったよ。

 でも、その想いを証明することは出来るかな?」

 オレは少し意地悪な気分になっていた。


「想いを証明?、ですか?」

 マリンは何のことか分からず、戸惑っていた。


 オレの言葉の意味を理解したトリンが、マリンの耳元で何事かささやいた。

 その言葉を聞いてマリンは驚き、両手で口を塞いだ。


 トリンは、恐らくこう伝えたのだ。

「カイト様が言ってるのは、マリンに抱かれる覚悟はあるのかってことよ」

 マリンは数秒間フリーズしていたが、その言葉の意味をようやく把握した。


「カイト様、わたし、想いを証明できます」

 そう言うと、マリンはおもむろに着ているモノを脱ぎ始めた。


 さすがに、オレもその行動には驚いた。

「分かった分かった、マリンの想いは十分に証明されたよ」


 そう言って、静止しようしたが、マリンは止めようとしなかった。

「カイト様、わたしの想いを受け止めて下さい」


 そう言ってマリンは下着姿になった。

 言い出しっぺのオレが慌てるくらいの気っ風の良さは、恐らく母親譲りだろう。


 もうここまで来ると後戻りすることはできない。

 折角のマリンの覚悟を無駄にすることになるからだ。


「ありがとう、マリンの想い、ありがたく頂くよ」


 オレはトリンに目配せすると、トリンはそれに気付いて、静かに部屋を出ていった。


「カイト様、先にシャワーを使わせていただいても宜しいですか?」


「分かった、お先にどうぞ」

 そう言うとマリンはバスルームへ入っていった。


 暫くすると、ドアがノックされ、トリンが戻ってきた。

「わたし、サポートしましょうか?」とトリンが聞いた。


「いや、サポートはいらないよ」


「分かりました、でもこれは必要ですよね」

 そう言ってトリンが渡してくれたのは、ラブポーションであった。


「トリン、ありがとう」


「カイト様、マリンの次は私の番ですからね」

 そう言ってトリンは部屋を出ていった。


 バスルームからはシャワーの音が聞こえてきた。

 オレもシャワーを浴びようと、服を脱ぎバスルームへ入っていった。


 シャワーを使って体を洗い流したマリンが、オレがバスルームに入ってきたのに気付いた。

「カイト様、洗って差し上げますね」

 そう言ってこちらを見たマリンは、驚くほどの巨乳であった。

 着痩せするタイプなのか、想像以上の素晴らしいプロポーションであることに改めて気付かされた。

 そう言えば『踊る銀ねこ亭』の女将おかみは昔モデルだったと聞いたことがある。

 マリンのプロポーションの良さも遺伝なのかと考えていると、マリンはオレを洗ってくれた。

 オレの視線が胸に集中していることに気付いたマリンは、オレの手をとり自らの胸へと導いた。


 そうなるともう後は止められない。

 オレの理性は、マリンの暴力的なプロポーションにノックアウトされ、シャワールームの中で事に及んでしまった。


 立ったまま背後からマリンを抱き、その暴力的なまでに発達した乳房を心ゆくまで堪能した。

 世の中の大抵の男は巨乳好きなのである。


 マリンの花弁はなびらを確認すると既に十分に潤っていた。


 オレはマリンの手を浴槽に付かせ、四つん這いにして、その後ろに中腰で立った。


 ♡ ♡ ♡ ♡ ♡


 その瞬間、マリンは声を発し破瓜はかの痛みに耐えていた。

 そのままゆっくりと腰を動かし、マリンが馴染むのを待った。

 徐々に馴染んで来た頃、乳房を揉みしだき、背後からマリンに口づけし、ゆっくりと動くと、マリンも感じ始め声を上げた。


 やがてマリンの声は浴室に響き渡るまで大きくなり、オレの腰の動きもそれに連れて早くなった。

 快感が全身を駆け巡り、オレとマリンは絶頂に到達した。


 最初の愛の営みが終わった後、オレはマリンにラブポーションを渡した。

 オレはその効能を説明し、ベッドの上でマリンがそれを飲み干すのを待って2回戦へ突入した。

 マリンとの一連の愛の行為が終わる頃、トリンが部屋に入ってきた。

 なんと、今度はリオナも一緒である。


「あ~、カイト様、昼間っから何やってんですか」とリオナが怒っている。

「そんな気持ち良さそうなこと、私も混ぜて下さいよ」

 そう言ってリオナがベッドへ入ってきた。

 何かする時は3人一緒と言う彼女たちの盟約があるそうで、リオナを仲間外れにすると、後で言い訳できないからとトリンが連れてきたのだ。

「マリン、ホテルの方は、エミリア支配人に事情を話したから大丈夫よ」とトリンが気を効かせて説明してくれたのだ。

 しかし、トリンがエミリアにどのように説明したのか、オレはとても気になった。

 

 そうして、まだ午前中だと言うのにアイドル3人とオレの愛の攻防戦が幕を開けた。


 ♡ ♡ ♡ ♡ ♡


 三つ巴に依る5時間にも及ぶ長い戦いが終了した頃には、既に日が傾き始めていた。

 斯くして、図らずしもアイドル3人がオレのハーレムに加わることになったのだ。


 マリンがスタッフ専用フロアに来るためには、大義名分が必要だが、エミリアが支配人となったことで空白となった7階のスイートフロアのマネージャ職を任せようと考えていた。

 マリンのホスピタリティはエミリア直伝で評判も良く、専属客室係バトラーの職務も十分に果たしていると専らもっぱらの評判なのだ。


 次の日、11階フロアのトリンの隣にマリンが引っ越してきた。

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