第77話 ジェスティーナと初めての夜

 2人でワインを1本空けて2本目に入るころにはジェスティーナも酔いが廻り、呂律ろれつも少し怪しくなってきた。


「カイトさまぁ、何時になったら、私をお嫁さんにしてくれるんですか~?」


「う~ん、オレが爵位に付くまでは、結婚はお預けだって、陛下から言われてるからなぁ…

 陛下に認めて貰えるよう、一生懸命頑張るからもう少し待ってくれないかな」


「カイトさまぁ、そんな口約束は駄目ですよ。

 今すぐ、私をお嫁さんにして下さい」と駄々を捏ね始めた。


「そうだ、いいこと思いついた」

 ジェスティーナは何か閃いたようだ。

「カイト様にあげるプレゼント、決めました」


「5分経ったら、2階に来てね…、分かった?」

 そう言うとジェスティーナは、オレを残して階段を上って行った。

 約束の5分が経過し、オレは2階へ上がった。


 寝室に入るとベッドサイドの小さな灯りだけがいており、薄明かりの中、ジェスティーナは両手で押さえたシーツに包まり立っていた。


 目を凝らすとジェスティーナの首には蝶結びの赤いリボンが巻かれていた。

 恐らくオレがプレゼントした指輪が入っていた小箱のリボンであろう。


「カイトさま、私からのプレゼントは『わたし』です」

 そう言って、体にまとっていたシーツをハラリと床に落とすと、ジェスティーナは生まれたままの姿であった。


 ベッドサイドの灯りが後光の如くジェスティーナの肢体を浮かび上がらせている。

 神々しいほど美しい肢体を惜しげもなく晒し、頬を染め恥じらいながらもオレに向かってニッコリと微笑んでいる。


 オレは、ジェスティーナのあまりの美しさに、その場で暫く見とれていた。

 着痩せするタイプなのか、普段見る感じからは想像もつかないプロポーションの良さだ。

 形良く上を向いた十分な大きさのバスト、括れたウェスト、形の良いヒップ、完璧なまでにバランスが取れた美しい肢体を惜しげもなくオレに見せてくれた。


 気品の中に知性を感じさせるエメラルドブルーの瞳、可憐で愛らしく美しい顔立ち、艶がありサラサラで美しい腰までの金色の髪、ひと目見ただけで思わず息を飲むほどの超絶美少女なのだ。


 そんな誰もが魅了される16歳の超絶美少女が、全てをさらけ出してオレの目の前にいる。


 彼女の父親である国王がわざわざ別邸を用意し、オレとジェスティーナを住まわせると言うことは、婚前交渉は当然の如く認めると解釈するべきだろう。


「カイトさま、焦らさないで下さい、わたし恥ずかしいんです」

 ジェスティーナが顔を赤らめながらオレに訴える。


 オレはゆっくりとジェスティーナに歩み寄り、優しく抱き締めると目眩がするくらいに甘い女の匂いがした。


 ジェスティーナの柔らかな感触と甘い匂いでオレの男の本能が目覚めた。

 女神フィリアがオレに与えてくれた『魅了』のスキルが効いているのは間違いないが、こんなにも魅力的な女性が、オレを求めてくれているのだ。

 この状態を拒否するのは、どんな男でも不可能だろう。


 オレはジェスティーナをベッドへといざなった。

 着ている物を脱ぎ捨てベッドの上でジェスティーナを抱き寄せた。


「初めてなので優しくしてね」とジェスティーナが耳元で囁く。

 ジェスティーナは目を閉じ、可愛い唇を突き出し、キスをせがんだ。

 オレはジェスティーナの濃い桜色の唇に優しく口づけし、柔らかい唇の感触を時間を掛けてゆっくり楽しんだ。

 やがて何方どちらからともなく舌を絡ませ、激しいディープキスとなっていく。

 オレの右手が形の良い乳房を優しく揉みしだくとジェスティーナは可愛いらしい声を漏らした。


 そして唇から耳たぶ、うなじへとゆっくりと舌を這わす。

 そこから更に下がって張りのある乳房を舐め回し、ピンク色の乳首を何度も攻める。

 頃合いを見て少しずつ下がって行くと、そこは既に濡れていた。


 初めてなのだから、そこは十分に潤す必要があるが、もう十分なレベルだ。

「ジェスティーナ、力を抜いて」


 ♡ ♡ ♡ ♡ ♡

 

 その瞬間、ジェスティーナは声を発し、両手でオレにしがみついて来る。

 ジェスティーナの顔を見ると、顔をしかめ破瓜はかの痛みに耐えているようだ。

 「ジェスティーナ、大丈夫?」


 「だ、大丈夫です、カイトさま、続けて下さい」


 ジェスティーナの中は狭く、先へ進むには時間が掛かった。

 手をつなぎ、頭を撫で、優しくキスして、少しずつゆっくりと動く。


「カイトさま、大好きです、わたし嬉しい」


「オレもジェスティーナとひとつになれて嬉しいよ」


 痛みと快感が入り混じった複雑な表情を見せるジェスティーナを気遣いながら、静かにゆっくりと動いた。


 頃合いを見計らい、少しずつ動きを早めると喘ぎ声の中に嗚咽が交じるようになり、やがて部屋の中に響くまでになった。


 ゆっくりと時間を掛け徐々に高め合いながら、お互いを求め合い、やがて絶頂に到達するとオレとジェスティーナは同時にピークを迎えた。

 そのままジェスティーナを抱きしめ余韻を愉しんだ。


「これで私、カイトさまのものになりました」と微笑んでいる。


「そう、ジェスティーナはオレだけのものさ」とオレが答える。


 2人でキスを繰り返し、やがて舌が絡み合う激しいキスに変わる頃には、そのままの体勢で第2ラウンドへ突入した。


 ♡ ♡ ♡ ♡ ♡


 今度はジェスティーナが上になり、手を繋いだまま快楽に身を任せた。

 下から見上げるジェスティーナは、細身ながら理想的な体型で、その眺めは素晴らしいものだ。

 吸い付くような木目細きめこまかな白い肌、ウェストはキュッと括れ、スラリと長い脚、ピンク色の乳首をいただきに持つ形の良い上向きの乳房、そして腰までの長いサラサラの金色の髪が体の動きに合わせて上下に揺れていた。


 ジェスティーナの快感は徐々に強くなり、仰け反りピクピクと小さく痙攣しながら声を上げ喘いだ。

 やがてお互いに2度めのピークに達しオレとジェスティーナは同時に果てた。


 第2ラウンドが終了するとジェスティーナはオレに倒れ込むように抱きついてきた。

 そしてそのままで快楽の余韻を愉しんだ。


 オレはジェスティーナを抱きながら、目を閉じていると、いつの間にか眠りに落ちてしまっていた。

 思えば、昨夜はアスナとサクラを相手に合計10回戦しているのだから、疲れているのも当然だ。


 深夜、下半身に違和感を覚え起き上がった。

「ジェスティーナ?」と声を掛ける。

「カイトさま、寝てしまうんですもの、わたし1人で寂しくて」と不満な様子だ。


「ごめんごめん、少し疲れが溜まってて寝てしまったよ」とオレが謝る。


「私、もう一度元気にして差し上げますね」


 ♡ ♡ ♡ ♡ ♡


 そして、サラサラの金色の髪を揺らし、可愛い顔を何度も上下させてオレを刺激し、至福の快感を与えた。


「カイトさま、明日から暫く居ないんですから、私ともう1回だけして下さい」

 2晩で13回は新記録かも知れないとオレは思いながらも可愛いジェスティーナの要求に答えた。


 ♡ ♡ ♡ ♡ ♡


 ジェスティーナは先程よりも感じているようで、時々全身をピクピクと痙攣させ、小さな声を上げながら腰を動かした。

 激しい動きで二人の汗がベッドを濡らし、幾度となく快感が全身を駆け巡る。

 やがて終局が近づき、オレはジェスティーナを抱き寄せ、絶頂を味わった。


「ジェスティーナの初めてを貰えて嬉しいよ、ありがとう」


「カイトさま、とても素敵でした…

 わたし…、Hが好きなのかも知れません」


「え?、そうなの」とジェスティーナの意外な言葉に驚く。


 ジェスティーナは黙って頷き、オレの耳元でこう言った。

「また、して下さいね」そう言って恥ずかしいそうに笑った。


 まさか王女様からHが好きだと聞くとは思わなかったが、それはオレも望むところだ。

「旅行から帰ってきたら、またしようね」


「はい、楽しみに待ってます」とジェスティーナは最高の笑顔を見せてくれた。


 オレはジェスティーナを抱き寄せ、そのまま一緒に眠りについた。

 ジェスティーナの体からは女の甘い良い匂いがした。

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