3.ゲームブックについて
はい、ここでは「ゲームブック」についてご紹介したいと思います。
基本の流れは、冒頭で述べたように「選択肢を選んで該当の番号の所にジャンプし、物語を進めてクリアする」と言ったものになります。
一番ピンとくるのは、「ホラーもの」ではないかと思います。
「さっきの場面、右の扉を選んだから主人公たちは助かったけど、左の扉を選んでたらどうなってたんだろう?」
こう思った経験はありませんか?
この場合、「右の扉に入る」の番号に飛べば物語は続けられますが、「左の扉に入る」の番号はおそらく助からないEND・・・つまりゲームオーバーになる訳です。
「謎解き、推理もの」もわかりやすいかと思います。
容疑者の証言や現場の状況といった情報から、やるべきことを選択していき、時には「道具(アイテム)」を駆使して謎を解く。この場合、シナリオの他「道具」を書き出すシートも必要となります。
出てくる敵を倒していく。いわゆる「冒険もの」を扱う場合には、「武器防具と言った道具」の他、主人公の「体力(HP)」、「精神力あるいは魔力(MP)」も良く使われます。成長要素を絡めるなら、「経験値(EXP)」、買い物要素を絡めるなら「所持金」を書き出したりします。さらに運要素を絡めるなら、「サイコロ(ダイス)も用意して使う」事もあります。
稀に小道具を使うこともありますが、基本的に「紙とペンさえあれば一人で楽しめる」のがゲームブックの大きな魅力でしょう。
ちなみにゲームブックの進化系(あるいは元祖?)に「テーブルトークRPG(TRPG)」というものがあります。これはざっくり言うと、ある方が書いたシナリオを複数人で協力(場合によっては敵対)していって楽しむものです。交流要素があり、かつ一人の思わぬ行動から後の展開がガラリと変わるスリル感や面白味もあるため、今でも界隈で人気です。
ところで、ゲームブックは近年あまり(というかほぼ)出版されていません。というのもパソコンやゲーム機でやる「アドベンチャーゲーム」が、一般に普及したからだと思います。ゲームブックのデメリットとして、先に言った「ペンで書きだす」、、「必要なシートを準備する」といった手間があります。さらに実際にやっているとランダムにページを往復するので紙がへたりやすい。同じページに複数の(段落)番号があるため、後のネタバレを見てしまう事もあり得ます。こういった理由から、パソコンやゲーム機、スマホと言った便利なツールが浸透している現在、一般的に普及しづらいのは致し方ないかと思います。
・・・ですが、ここ。「ネット小説」ではまた違うと私は考えます。
まず、デジタルなので「紙がへたる」ことはありません。段落番号を各話で分ければ「ネタバレ」も起こりません。
「必要なシートを準備する」事はあっても、エクセルなどで作れば比較的容易でしょう。そこに数字などを打ち込むのは、コピペでもできるでしょうし「ペンで書きだす」よりは楽と思います。
実を言えば、「ホームページ上で、シナリオ番号をリンクしてやるゲームブック」というのを以前試みたこともあります。実際、誰かがそういったホームページを作っていた記憶もあります。ただその場合、コンピューターの知識も(アドベンチャ―ゲームほどではないにせよ)、ある程度いります。そういったコンピューターの知識面でも、ありがたいことにネット小説掲載の場は適していると、私は見ています。
ゲームを作るには、近年比較的小人数、安価でできると言われている「スマホゲーム」であっても、「コンピューターに詳しくない人物が一人で」できるものでは到底ないでしょう。
ですが、こういったネット小説掲載の場を借りてではあるにせよ、「ゲームブック」が曲がりなりにもできれば、「一人でゲームを作る」楽しみが産まれます。
今作は、その第一歩となるテストシナリオとなります。
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