第4話 スライムとの旅路
スライムと旅して分かった事だが、コイツは基本的に雑食だ。食べる者は何でもよさそうだ、俺は肉しか食べられないというのに。そしてコイツは目が見えていない。音は聞こえているらしいが、景色とかは分からないらしい。
コイツとかではかわいそうだな。名前を付けてあげよう。体は丸くて、質感はプニプニで触り心地がいい、体色は水色で和柄に見えなくもない模様が入っている。うーん、…………思いつかない。でも水に関する言葉が良いよな。水、川、海、波、細波…………うん、サザナミにしよう。
「オ、オ前ノ、名前ハ、サザ、ナミ、ダッ」
喉を集中的に再生させて声を発するが、掠れているし、余り自由に声を発せられない。対人の会話には使い辛そうであった。サザナミは名前に反応したのかポヨポヨと身体を弾ませ、じんわりと発光した後にグッタリとする。微かに動いているので生きてはいる様だ。取りあえず、サザナミをバックに入れて歩き出す。
「あー、っあー」
地図などないので行き当たりばったりだ。陽が昇れば立ち止まり、陽が沈めば歩き始める。それを続けていくと、川に出る。すると、元気になったサザナミを川に近づけると川の水を飲み始めた。犬みたいにコクコクと可愛らしく飲んでいる。
見てても飽きないが、飲み終えたのか川で遊び始める。パチャパチャ、と水で遊ぶ姿はおぼれているのではないのかと心配になっていく。十数分経つとそろそろ、川遊びを切り上げさせる。タオルは無いので端っこを掴んで水気を飛ばす。充分乾かすと、バックに詰め込む。
街でもないものかね、暇だし代り映えのするものが見たい。サザナミもそう思うよな。
それから一か月は歩き続ける。相も変わらず、変わらない景色だが変わったものはある。出現してくる敵が変わってきた。一メートル位のバッタ、太った人間の体に豚の頭の付いたオーク、数十センチはある巨大なフクロウ色んなのが出てきていろんなものを吸った。
しかし、それ以外にする事もない。目的もなく、歩いて、愛でて、歩いていく。マジ暇。やる事ないよー、ヒトじゃないから、人里に出れないよー。ハンバーグ、唐揚げ、味噌汁、餃子にステーキ。味が欲しい、五感が視覚、聴覚以外は死んでるから、味を感じないので食事も楽しくない。まーじ、暇。面白い事が起こんないかな?
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