第2話 誕生日には妹をくれ
どうやら無事、転生したようだ。
ほほう、転生とは凄いな。
本当に赤ん坊になっている。
おっと、泣かないと完全に怪しまれてしまうな。
これは良く無い。
「おんぎゃあああああああああああああ」
とりあえず今出せる最高の声量で叫んでみた。
「リーン様! メリー様! 無事産まれました! 元気な男の子です!」
「よくやったぞメリー! さぁ、ルド! こっちにおいで」
この人はリーン。俺の父親だ。
俺の名前はルドっていうのか。
リーンは助産師さんから俺を受け取り、宥めてくれる。
着ている服と部屋の豪華さから、前世でよくあった貴族とかいう奴なのかもな。
「ルド……私達の……元に……産まれて……来て……くれて……ありが……とう」
産後で体力を使い果たしたのか、母メリーが疲労感たっぷりで声を掛けてくる。
「見ろメリー! 俺たちの子だ! ルドだ!」
リーンのテンションは爆上がりだった。
ちょっとは母さんを休めてやろうよ。
2年の月日が経った。
「ルドー? またここでお勉強しているの?」
「はい、母様。魔術師に興味がありまして」
今日2歳を迎える俺は、家の書庫にこもって魔法の勉強をしていた。
「ルドは天才だから魔法もすぐに使えるようになるわ!」
俺は天才と呼ばれていた。
それはそうだろう。
生まれて1ヶ月したら首がすわって、3ヶ月したら言葉を話す子供。
これには親だけでなく、助産師さんもびっくり。
俺でもびっくりするわ。
「ルドは今日で2歳になるのね。何か欲しいものとかはある?」
この世界にも誕生日みたいな習慣は存在しているらしい。
そうだな、それなら
「母様、僕は"兄弟"が欲しいです」
「ヤダっ// ルドったら何言ってるの! でもそうねぇ……」
メリーは照れながらも答える。
しかしこれは、由々しき事態だった。
何せこの夫婦、生まれてこの方、全く致してない!!
何でだよ! まだまだ若いだろ!!
これはまずい。何故なら、
これから産まれてくる妹と、歳が離れてしまうじゃないか!!!!
歳が離れれば離れるほど、一緒にいられる時間が短くなってしまう!
人の一生は有限なんだぞ!!寿命ってのがあるんだ!
80年一緒に入れるか、81年一緒にいれるか、この差は大きい。
なので一刻も早く、親には夜の営みをして貰う必要がある。
「母様……ダメですか?」
俺はあざとさにステータスを極振りして、上目遣いでお願いする。
「そ、そうね! お父さんにお願いしてみるわ」
ふっ。ちょろいな。
満足した俺は、母にお礼を言うと、また魔法の勉強を始める?
なんで魔法を勉強してるかって?
まぁ妹達をこの手で守る為に強くなりたいという理由もある。
だがな、誰だってこう思う筈だ。
妹達に、かっこいいって思われたいだろおおおおぉぉぉ!!!!
更に1年後、俺は待ちに待った妹達との出会いを果たす。
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