「偶像という仕事」
石鹸になる夢を見た。
人々の手に擦られ汚れを落としてやり、泡になって流れていくだけの人生だったが満ち足りていた。
石鹸は小さくなっても幸せそうにせっせと消費されてやがて消えた。
椎名は目覚め、ファンレターの散らかるソファで顔を覆った。
君は僕らの癒しです。
書かれた手紙を握り潰す。
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