第2話「忙しなく過ぎ去る日々…」⑥

※場所は佐賀県武雄市朝日町たけおしあさひちょうエスカンパニー前。第2話「忙しなく過ぎ去る日々…」⑤の翌日9月23日。時間は9時頃(※)内は演出指示です。<>はセリフ以外の演出ほかシュチュエーションです。★は出来ればお願い項目。傍点は佐賀弁。


蒼羽あおば:おはよう!"志織しおり"ちゃん。」


志織しおり:「あれ、"専務"!会社に出勤なんて久しぶりですね!」


蒼羽あおば:「今日は特別!直ぐにお店に戻るけど…。"新入社員"が来るからね!顔見せぐらいはしないと!」


志織しおり:「"大神 叶恵おおがみ かなえ"さんですよね?」


蒼羽あおば:「"志織しおり"ちゃんも会った事あるんだ!」


志織しおり:「せ、"専務"は?」


蒼羽あおば:「会ったことがあるもなにも、妹の"珠花しゅか"ちゃんは"前線カフェ"にしばらくバイトの子達と一緒に過ごしてたからね!」


志織しおり「そ、そうでしたね…。(※しばらく間をあける)"専務"は、"珠花しゅか"ちゃんが社長の妹さんって知ってたんですか?」


蒼羽あおば:「う~~~ん。その辺は"微妙な記憶"なんだよ…。おかしな話なんだけど…。ちょっと"大家おおや"さんとの"約束"もあって、お店の事は深くは話せないんだけど…。兎に角、"珠花しゅか"ちゃんはいつのまにやら、お店にいて、その後、直ぐに"叶恵かなえ"ちゃんと"社長"が迎えに来たって感じかな…。」


志織しおり:「は、はあ…。(※少し困惑しながら)"理名りな"にも同じことを尋ねたんですよ!(※しばらく間をあける)いや、社長は2か月程、"前線カフェ"にお世話になってたって話されていたので、それなら、"理名りな"も知ってるかと思ってたんですが…。"理名りな"も知らない…って。」


蒼羽あおば:「2か月もいなかったよ!2週間かな?3週間かな?…。何かその時の"記憶が曖昧"なんだよ…。」


志織しおり:「でも、そうすると…、会社の被災後に、鹿島かしまのお店に私、来たじゃないですか?でも、その時はいたってことですよね?」


蒼羽あおば:「う~~~ん。そうなるね…。(※しばらく間を空ける)いや、本当に"志織しおり"ちゃん、ごめん。8月の水害から、何か色々忙しすぎて…。覚えてないんだよ。」


ゆう:「"専務"、志織しおりちゃんと何を話してるの?」


蒼羽あおば:「い、いや…社長の妹さんの事です。"珠花しゅか"ちゃんの…。」


ゆう:「蒼羽あおば君、あの時は本当にありがとうね。鹿島かしまの"前線カフェ"があったから、助かったようなものよ!」


蒼羽あおば:「(※何となく納得いかない風に)はあ…そう、そうですね!」


ゆう:「そろそろ、来るはずなんだけどな…。」


志織しおり:「朝は、"明来あき"ちゃんが妹さんを迎えに来て、それから…2人で自転車で中学校へ行くのを見送っていましたよ。"叶恵かなえ"さん!」


ゆう:「志織しおりちゃん、それから?"叶恵かなえ"は?」


志織しおり:「それからは…知りません。(※しばらく間をあける)朝の挨拶をして…そこまでですね。」


ゆう:「距離的に歩いても来れるし、道に迷う程でもないけどな…。ちょっと見てこようかな…。」


志織しおり:「社長が行かれるんですか?」


ゆう:「勿論、大事な妹だからね!"蒼羽あおば"くんも"志織しおり"ちゃんも、ゴメンね!そこで暫く待ってて~。もし、私が探している間に"叶恵かなえ"がきたら、メールして。お願い!」


蒼羽あおば:「分かりました!大丈夫ですよ!」


ゆう:「ありがとう!"蒼羽あおば"くん!」


<アサヒメゾンの方向へ向かって歩き出す"ゆう"…。とりあえず、エスカンパニーで"叶恵かなえ"が来るのを待つ"蒼羽あおば"と"志織しおり"。"ゆう"の姿が見えなくなるのと入れ替わるように、"叶恵かなえ"が反対方向の道から駆け足でやってくる…>


叶恵かなえ:「お、おはようございます。すいません…。遅れてしまいました…。」


志織しおり:「おはようございます。まだ、遅刻ではないから大丈夫ですよ!でも、何で反対方向から?」


叶恵かなえ:「少し早く出て、この周辺に何があるのか知りたくて、色々、見て回ってたら、知らない道に入ってしまい。兎に角、動いていれば分かるだろうと思ってたら…つい…。」


蒼羽あおば:「(※豪快にははははは…と笑う)この辺は社長にそっくりだな!"姉妹"というのも頷ける。」


叶恵かなえ「(※申し訳なさそうに)すいませんでした。」


<"叶恵かなえ"、"ゆう"の姿がないことに気づく…>


叶恵かなえ:「あ、あの…姉は…、いえ、"社長"はどこに…?」


志織しおり「あっ!社長は"叶恵かなえ"さんが来ないのを心配して、”アサヒメゾン”の方へ入れかわりみたいなタイミングで行っちゃった…。」


蒼羽あおば:「いいよ!メールしてって言ってたから、俺が今から電話の方が早いし、電話するよ!」


志織しおり:「(※申し訳なさそうに)せ、専務…すいません…。」


蒼羽あおば:「いや、俺も鹿島かしまの店に直ぐ戻らないといけないからね!(※しばらく間をあける)"叶恵かなえ"ちゃん、俺の事は覚えているかな?」


叶恵かなえ「"前線カフェ"の店長の"蒼羽あおば"さんですよね!」


志織しおり:「"叶恵かなえ"ちゃん…。お店では"店長"だけどSエスカンパニーでは"蒼羽あおば"さんは"専務"なのよ…。」


叶恵かなえ:「そ、そうだったんですね!」


蒼羽あおば:「ウチは"小さな会社"だからね!社長と俺、"志織しおり"ちゃん、あとは…今日から"叶恵かなえ"ちゃんも…。あとはバイトの子やパートの人とかだよ!(※しばらく間を空ける)そういえば、"珠花しゅか"ちゃんは元気にしてる?お店でお手伝いしている"稲穂いなほ"ちゃんと"亜都あと"ちゃんが心配してたから…。」


叶恵かなえ:「"珠花しゅか"は…"珠花しゅか"は…元気にしてます。まだ、"日本での生活"に慣れていないみたいで困ってるところもあるみたいですけど…。」


蒼羽あおば:「それなら、良かった!それじゃあ、社長に電話するよ!」


<上着のポケットからスマホを取り出して、電話をかける"蒼羽あおば"…。着信音が静かに聞こえる…>


蒼羽あおば:「あ、社長!俺です。"叶恵かなえ"ちゃん、会社の方に到着しましたよ!(※しばらく間をあける)あ、はい。分かりました。」


志織しおり:「社長は?」


蒼羽あおば:「(※安心した声で、)じゃあ帰ってくるって!」

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