第21話

創作物において死が描かれがちなジャンルといえば「ミステリー」と「恋愛」だろう。しかし両者の死に対する表現の仕方は大きく異なる。ミステリーにおいて死は結果でしかない。もしくは前提だ。死が発生することで物語の探偵役は暗躍を始める。

一方恋愛が描かれる作品において男女の片方が死ぬことの何と多いことか。雑に死を描き雑に感動を与える。

とはいえ作品内の残された人間は大抵その死に苦しむ。死を大きな出来事と捉え理解し認める。

死を悲しいものとして描いてくれる。


だから恋愛小説は読んでて面白い。

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