12

 一夜明けて…


 それは、不気味というか不思議な光景。あれから居間の卓を囲んで、あの人形に憑依した霊たちとヒミコ(私の守護霊)との間で、話し合いが行われた。


 その折、自らの厚遇は、宅の当主の守護霊であればこそ。と、ヒミコが説得した結果、憑依していた霊たちは次々と人形から離れていった。ほっ…


 だが、そこまではよかったものの、ヒミコのようなラ〇ドールから球体関節人形その他諸々、6体もの等身大女性人形が、我が家に残されるという結果に。


 ちなみに後日、その人形たちは皆、まとめて例の更地に不法投棄されたものと判明。なかなか恥ずかしながら、私が業者に連絡して、すべて引き取ってもらった。


 という訳で、これにて一件落着…


 と思いきや、それはしばし後の事だ。


「な、なにっ…」


 昼下がり、居間の卓にてノートパソコンを。のんびりコーヒー飲み飲み私が、ネットニュース等をチェックしていたところ、


 《腹話術芸人ゼロ 振り袖姿の美少女と番組収録後にデート》


 なる記事が!


「…って、こりゃ史都やないけっ。そっか、あの日ゴン読む・・・・の収録の帰り際に撮られたんだな、こりゃ…」 


 記事と併載。バッチリ撮られた史都との写真を目に、思わず呟く私。うぬぬ、それにしても《週刊文潮》め〜っ…


 まあ、実は我が家に人形たちが押し掛けてくる・・・・・・・・・・・・・・・・だけで…というのも、ちょっと大袈裟な気がしていたんだが、きっとヒミコは、この件をも私に警告すべく仏間へ移動したんだな。


 しっかし、まいったなー。どないしょ。


 史都じゃないが、『姪っ子』と会っただけ。でいくか、ここは。


 ふ〜っ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る