こんな幼馴染は嫌だ

バネ屋

美貌と暴力の悪魔 クリスティーナ編

#01 始まり


 女性としては高い身長

 姿勢の良い伸びた背筋

 サラサラとしたブラウン色の髪

 縊れた腰に存在感を主張するヒップ

 長くて程よい肉付きの脚に引き締まったふくらはぎ


 悪魔の様な完璧なスタイルで、彼女は今日も僕の前を歩いている。

 僕は彼女のカバンを持ち、彼女の3歩後ろを歩く。



 彼女の名前は、クリスティーナ。

 イギリス人の父と日本人の母とのハーフだ。

 町を歩けば誰もが目を奪われる美貌と、そして悪魔さえも魅了する完璧なスタイル




 皆は彼女のことをクリスと呼ぶが、僕はボスと呼ぶ。


 5才の頃、同じ幼稚園に通っていた彼女に殴り合いの喧嘩で負けて、軍門に下った際一生下僕になることを誓わされた。


 小学生になってから何度か反抗を試みたが、その都度半殺しにされ、今では従順なシモベだ。




 ボスは、これほどの容姿を持ちながらも恋人を作らない。

 毎日の様に男性に言い寄られるが、一切の同情無く切り捨てる。


 そして、僕以外の下僕も持たない。

 たまに、ボスとお近づきになりたい人が自ら下僕になりたいとやってくるが、無言で殺気を放って追い返す。

 あれはホンキで殺る時の目だった。



 ボスとは同じ幼稚園、同じ小学校、同じ中学、そして同じ高校だ。

 毎回僕の進路はボスによって決められる。

 というか、進路希望とかボスが僕の分も勝手に書いて出すから、僕に選択権が無いのだ。


 そして、幼稚園以来、全て同じクラスだ。

 これは偶然そうなっているように装っているが、ボスが学校側に圧力をかけている事を僕は知っている。

 そのことを漏らすと僕の命が危なくなるので、決して口にはしない。


 登下校の班も、遠足の班も、学校の委員会も、家庭科の班も、美術の人物デッサンも、この十数年の全ての行事がボスとペアで行われてきた。

 別々になることは無いし、他の人が加わることも無い。


 一度小学3年の時に、若い女の担任教師が強引に別の班と組ませようとしたが、翌日担任から外された。







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