二度あることは

課題「イライラしている人」


タイトル『二度あることは』


人物

平山綾香(27)OL

片桐透(28)その彼氏


○片桐の住む1LDK・リビング(夜)

ㅤㅤㅤ片桐透(28)、ワイン片手にチーズ

ㅤㅤㅤをつまみながらテレビを観て笑ってい

ㅤㅤㅤる。

ㅤㅤㅤ平山綾香(27)、頬杖をしそれをじ

ㅤㅤㅤっと睨んでいる。

ㅤㅤㅤ片桐、ふとそれに気が付く。

片桐「なに? どしたの」

綾香「ねぇ、そのワインなんのために持って

 きたと思う?」

片桐「え? 綾香も飲みたいなら飲めばいい

 じゃん。グラスの場所わかるでしょ?」

ㅤㅤㅤ綾香、大きくため息をつきうなだれる。

綾香「(絞り出すように)お祝いなんだけど」

片桐「え? ありがとう。ハハッ、なんの?」

ㅤㅤㅤ綾香、キッと片桐を睨む。

綾香「今日記念日なんですけど! 今日で三

 年目なんですけどー!」

ㅤㅤㅤ片桐、表情が徐々に曇り、グラスを置

ㅤㅤㅤいて慌ててスマホを開く。カレンダー

ㅤㅤㅤに「交際記念日」と書かれている。

綾香「もうほんっっっと信じらんない!」

片桐「い、いや今度は忘れてないって! 今

 はほら、うっかりド忘れしてたけど。ほら

 ちゃんとメモしてるし(スマホを見せる)」

綾香「私はメモなんてしてないけど!?」

片桐「えっなんで?」

ㅤㅤㅤ綾香息をのみ、直後グラスを取り片桐

ㅤㅤㅤにワインをぶっかける。

片桐「ぶっ、ぷわ! なにすんだよ!」

ㅤㅤㅤ綾香、バンと机をたたき立ち上がり、

綾香「仏の顔もっ!?」

ㅤㅤㅤ片桐、混乱してぱちぱちと瞬きをし

片桐「……たまには怒る?」

綾香「バカタレ!!」

ㅤㅤㅤ綾香、チーズをむんずと掴むと口に押

ㅤㅤㅤし込む。むーむーうなりながらどしど

ㅤㅤㅤしと部屋を出ていく。

ㅤㅤㅤ片桐、呆然と見送る。

片桐「……ありゃ牛の顔だ」

ㅤㅤㅤポタリとワインが滴る。

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