3話 転生した実感がわいてきた俺

部屋についた。




広い。




俺は最初にそう思った。


清潔そうなベッドにきれいな机。




机の上には本が置いてある。




「今日からここがあなたの部屋ですよ。テル様。」




そういうとメイドの女性は、俺を赤ちゃん専用のベッドに置いた。




「夕食の時にはお呼びいたしますので、その間に何かあったらそこのボタンを押してください。」




赤ちゃんにこのボタンを押せると?


まあ押せるけど。




そう考えているうちにメイドは部屋を出て行った。




俺はこれまでのことを整理した。




まず俺の名前は確か『テル』だったな。




それと俺の姉らしきものは『マーガレット=ハングル』


って言ってたから、


俺の本名は『テル=ハングル』かな




それとここに転生する前に、アマテラスが




「すべての職業になると神になれるようになりますよ。」




って言ってたのはマジなのか?




神様になれるのか。


神様になると、お札の名前になったりするのかな。




そんなことは置いといて、今俺は何ができるんだ?




ステータスを見るか。




名前 テル=ハングル




種族 人間




職業 未定




体力 10000




魔力 10000




レベル 1




スキル 今のところは未定




加護 太陽神アマテラスの加護




スキルのところ今のところは未定って何。




あの神様有力とか言ってたけど結構適当なんだな




というか体力と魔力が多いな。


体力と魔力を強くしておくっていうのは本当だったな




スキルは最初からほしかった。




アマテラスは“あるキッカケ”で目覚めるって言ってたけどキッカケって何だろう。




運命の人と会うとか? めちゃくちゃ鍛錬したときとか?


レベルが上がったときとか?




・・・考えても仕方ないな。




加護ってどんな意味があるんだ?


死の危機から救ってくれるのか?




『太陽神アマテラスの加護』っていうぐらいだからかなり強そうだけど。




わからないことだらけだ。




でも1つだけ確かなことがある。




俺が本当に異世界に転生した、ということだ。




ここはFPSのゲームのような世界ではなく、ファンタジー系だな




・・・ファンタジーなら魔王とか勇者とかいるのかな?




『すべての職業』っていうぐらいだから、俺は勇者にならないといけないのか。




そういえばさっき俺を抱っこしてこの部屋に連れてきたメイドはなんかほかのメイドと雰囲気が違った




何かあるんだろうか。




それに俺を抱いて何か調べているようでもあった。




まっ、考えてもわかりやしない。




とりあえず寝るか。




★★★★★★




「・・ル様!テル様!テル様!」




ん・・・ むにゃむにゃ




なんだもう朝か?




「夕食の時間です。今日はテル様誕生の1か月記念日なので、今日からテル様も旦那様たちと一緒にご夕食を召し上がる予定です。」




夕食?




はっ。寝すごしたか?!




いや、まだ外は夕方だ。 まだ約束の時間には間に合う


って、俺は転生したんだった。




もうゲームはもうできない。




・・・そう考えると、ちょっと悲しいな。




それより夕食?




今日俺の誕生1か月くらいで記念日になるってここの貴族はだいぶ親バカなのか。




でも、記念日とかで、俺のことをみんなで祝ってくれる人がいるってうれしいな。


前世はそんなことなかったけど、今はあるってことか。




・・・なんか楽しみになってきた。




今世はゲームみたいな現実逃避をしないで、悔いのない人生を歩もうかな




そして、最期になるときは




「わが人生に、一片の悔いなし!」




って言ってみたい。




まだ生まれたばかりなのに、もう人生のことを考える俺なのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る