第129話 期末試験 ⑧

【聖子side】


私達は、深雪の後ろから尾行………じゃなくて心配の為について行った。


聖子

「 深雪、フラフラしているけど大丈夫かなぁ 」


秋奈

「 しょうがないなぁ。 事故でも起こしたら困るからサポートしよう !」


秋奈と一緒に危なっかしい深雪を家に帰るまでサポートする事にした。

田舎だとはいえ、いや田舎だからこそ 車やバイクはスピードを出すのだ !

『 車は急に止まれ無い 』

標語にもあるが、ときどきスマホを見ながら運転している奴がいるから私達、歩行者も注意しないと危ないのよね。


私達が深雪を挟むようにして支えた。


深雪

「 あれ、 二人共どうしたの ?

二人の家は、こっちの方向じゃ無いよね 」


聖子

「 アンタがフラフラしながら帰るから心配して追いて来たのよ ! 」


秋奈

「 そうそう、心配だから追いて来たんだよ !

案の定、車道に倒れそうなんだから私達が家まで送るわよ 」


深雪は、驚いたようだったけど拒否されなかったわ。


深雪

「 ありがとう。 心配してくれているなんて思わなかったわ 」


それから私達は、深雪の家まで無言で歩いたのだった。

親切心から、そう友達として心配だから深雪を追ってきたのよ !

けっして、興味本位で追及しようなんて思ってないわ。



秋奈

「 試験勉強でフラフラしているなら良いんだけど………いや良くないけど

もし悩み事があるなら相談にのるよ 」


聖子

「 私達、友達でしょう。 秘密は守るから( たぶん)良ければ相談してくれないかなぁ ?( キリキリ吐けやぁー ) 」


友達想いの私達は、素晴らしいわよね !




【 深雪side 】



うぐぅ 、なんか罪悪感があるわ。

いつも、ふざけてばかりいる二人が私の事を心配してくれるなんて思わなかったよ。

だけど、本当の事を話したら呆れちゃうよね。


家まで送って貰った後、そのまま帰す訳にはいかないので私の部屋に上がって貰った。

お母さんには、具合の悪い私を心配して送って貰った事を説明したら二人にお礼を言った後に、お茶でも飲んでいって貰う事を勧めていた。


心配してくれた二人に嘘はつけないよね。

私は、正直に話す事にした。

最初は、呆れていた二人だったけど………


聖子

「 へぇ~ これが深雪を夢中にさせた『 恋・バト 』かぁ !

噂では聞いた事があるけど、そんなに面白いの ? 」


深雪

「 ノーマルモードまでは、普通に楽しめるわよ

それ以上は、だんだん鬼畜仕様に成っていくけどね 」


秋奈

「 ふ~ん、面白そうね。

そう言えば、お母さんから『 恋・バト』の事を聞いたような記憶があるよ 」


聖子

「 何て言ってたの ? 」


秋奈

「『 [恋・バト]のゲームスタッフや開発陣は、頭がおかしい !』とか言っていたわよ。 何故か、こぶしにぎって興奮していたわよ 」


深雪

「 良かったら『恋・バト』のゲームソフトを貸すわよ

手元にあると誘惑で、またプレイしてしまいそうだから預かってくれると助かるわ 」


私の言葉には『 嘘 』は無い。 誘惑に勝てそうに無い自分が情けないけど仕方無いよね。


聖子

「 じゃあ、 とりあえず預かって置くわね。 今日は、おとなしく寝る事を勧めるわ 」


秋奈

「 うん うん その方が良いと思うよ 」


そうして二人は帰っていった。

私は、二人の忠告に従い早目に寝ることにしたのであった。

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