第57話 由利子先生は見た !

【 由利子side 】


今、私達三人真知子、瑠奈はパトロールをしている。

田舎の村祭りとはいえ、他所よそからも人がくるためだ。

しかし右を見ても左を見てもカップルばかりだな。

私だって新学期が始まればチャンスがあるんだ ! そんな事を考えていると


真知子

「 あっ、 大洗おおあらいさんだ !

一緒にいる男の子は波崎はさきくんね。

もしかしたら恋人同士なのかしら」


私がと首を回すと、そこには確かに伊予と波崎博人ひろとがいた !

うっ 裏切り者ぉー !

別に約束した訳ではないけど、お前達だけは 私と同類だと思っていたのにぃ~ !


瑠奈

「 あそこにいるのは神栖かみすさんねぇ~。

一緒にいる男の子は延方のぶかたくんだわぁ~。

最近の生徒達は進んでいるのねぇ~ 」


まっ まさか、お前もか !

振り返ると、そこには…………

今日子と延方信敏のぶとしが恋人繋ぎをしてクレープを食べさせ合いをしていた!


今日子………お前だけは信じていたのに !

私はショックで、なにも考えられなかった。

真知子が気を使ったのか


「今日は私と瑠奈でパトロールの続きをするから、由利子は先に上がりなよ 」


「 スマナイ、悪いが後を頼む……今日は疲れた」


私は二人の好意に甘えて先に帰る事にした。

帰る途中、ふと見上げると見たことのある

男女四人組が仲良さそうに歩いて来た。


聖子と石岡政雄いしおか まさお

秋奈と日立和彦ひたち かずひこ


まっ まさか、お前達まで………

いや確か、アイツらは幼馴染みだったはずだ。

そうそう、皆 カップルな訳がないはずだ !


しかし奴らは………


「「 由利子先生~ !

私達、恋人同士に成りましたー ! 」

そう言いながら隣の男に抱きついた。


「 そっ そいか、それは おめでとう

学生らしいお付き合いをするんだぞ 」


私は冷静に対処出来たと思う。

仮にも教師が生徒の前で情けない事は出来ない。


奴らを送り出した後、私は涙を流しながら帰っていた。


私だって新学期が来れば、きっと………

神様、女神様、邪神様でもいい

誰か私にも彼氏を下さい !

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