第35話 由利子先生のターン !?


【 由利子side 】


 あれから村長に直談判して、お見合いをすることになった。

 地元の観光ホテルのラウンジで相手を待っていると


「遅い !

 遅れるなら連絡くらい寄越すのが、礼儀だろうに 」

 隣で村長が、怒っていた。

 約束の時間の十二時から、既に三十分も過ぎている。


 その時、村長のスマートフォンが鳴った。

「 もしもし 大江戸だよ !

 お前さん、一体何時まで待たせるつもりなんだい ! えっ、何だって……………………

 ……………………………………………………

 …………そうかい 判ったよ !

 もう いい、今後一切 お前さんの所との取り引きは『 なし 』だよ !

 言い訳は、聞きたくない 」


 嫌な予感がするのは、気のせい。


 村長

「 単刀直入に言うよ !

 見合い相手が、逃げた。

 会社での『 ハラスメント』で、訴えられたらしい。


 それも複数だ !

 被害者には、自殺未遂したのもいるらしい

 エリートで出世頭だと言っていたが、部下の手柄をうばい、自分のミスを部下のせいにしていたそうだ。

 部下が、自殺未遂を起こしても平然としていた“ クソヤロウ ”だとさ !

 知らなかったとは言え悪かったね。

 次は、きちんと調査するから今回はあきらめてくれ 」


 村長が、謝ってくれた。


 由利子

「 村長のせいでは無いですよ。

 今日は、食事だけして帰りましょう

 このホテルの“ ランチ ” 食べてみたかったんですよ 」


 村長

「 ありがとうよ。

 今日は、私のオゴリだ !

 好きな食べ物を、お食べ。

 次は、もっと良い男を見つけてやるからね」



 私、男運が悪いのかなぁ~

 今日は、食うぞぉー !

 自棄食やけぐいだぁー !



【伊予side 】


 とっ とんでもないものを見てしまった !

 由利子先生が、見合いをする情報を聞いて内緒で見学に来たんだけど………


「「………………………………」」

 流石に聖子や秋奈も言葉を失っている。



 自棄食いしている由利子先生を見て、

 少し優しくしてあげようと三人で約束した。



 それは、それとして私達はホテルの

『スイーツバイキング 』に向かった。


 先生、ゴメンね。

 同情と食欲は、別なのよ。



 この時、 私達は気づいていなかった。

 スイーツに夢中になっていた私達。

『 甘いものは、別腹 』とスイーツバイキングに遠征してきた由利子先生に、見つかるまでに時間はかからなかった。







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