うちのしきたり

K・Sメッセ

プロローグ

プロローグ

 12月31日、大晦日。

 午後8時を過ぎたころ、テーブルの上には3人分の年越しそばが並んでいた。

「ねぇ、お母さん。いまさらなんだけど、なんでうちは、毎年、年越しそばがカップそばなの?」

「……あれ? 萌には言ってなかった? うちのしきたり?」

「しきたり!?」

「ルール」

「私、15歳ですけどなにか? そういうことじゃなくて、なんでしきたりなの?」


 母親の隣では、3分間が待ちきれない父親。カッブの蓋を開けようとすると、母親がすかさず、3分たってないわよと、ツッコまれ。萌の気になるしきたりは、おそばを食べたあとになった。

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