第21話 露見
戦場のど真ん中に
右肩を射抜かれたカーシャに
「ちょっと動かすよ」
「え?」
いきなり現れた俺に驚くリンを無視して二人の肩を掴みアレックスの下に移動。
「頼む」
ポカンとしているアレックスに一言残して再び戦場へ。
親玉に吹っ飛ばされたラントのダメージがデカい。右腕一本で剣を振ってるけど左腕は折れてるな。上腕骨骨折てとこか。後ろから肩を掴んで有無を言わせず『移動』。
戦場に戻った途端、魔法攻撃を喰らったが俺のシールドを貫く事はなかった。そばでいきなり凄い音がしてちょっと驚いた。超能力って魔法の上位互換なのかな。ポンコツの設定がわからん。直接攻撃であれ魔法攻撃であれ結局最後は外部からの物理ダメージだからかな。
でも
呪術師の前面に魔法陣が展開されるが何の障害にもならず、すり抜けてどてっぱらに風穴を空ける。魔法を防ぐ障壁じゃ意味ないみたいだね。魔素関係ないからかな。
『コキッ』
ついでに注意がそれた隣の奴の首も捻ってみた。後は剣持ってる奴か。おっとマットが。
小鬼に飛び掛かられてバランスを崩したマットに斬りかかろうとする剣を受け止め首を捻ろうとしたら頭が潰れた。うわっ、スプラッタ!力加減間違えたわ。
「大丈夫?」
「ジン!こんなとこ出てきて何やってんだ!」
「それよりアレ何とかしないと」
視線の先には
「ヤベェ、ありゃ
走り出すマットを横目に周りから集まる小鬼に目を向け収納から取り出した怪しい剣を一閃。剣を薙いだ先に居た小鬼共は綺麗に首が飛ぶ。そこからシールドの範囲を外に向かって広げる。シールドは前にある物を破壊しながら小鬼を巻き込んで広がった。見えない壁に自分からぶち当たったようなもんだ。
これで暫くは追加の小鬼は来ない。アレックス達大丈夫かな。
もう一匹
現場は中々凄惨な事になってる。武器を持って対峙してるのは三人だけ。月影の盾役ベルントと赤き地平の斥候ガルド、そしてマットだ。
魔法士も赤き地平のシェリルは魔力切れなのか倒れ、それを剣の舞のコンラートが辛うじて守っている。
赤き地平の
親玉はあちこちから青い血を流しているがまだ余裕がありそうだ。
頭上に振りかざした大剣をガルド目掛けて振り下ろしたが、横に飛び退き剣は大地を抉っただけだった。
しかし、その威力は凄まじく礫を辺りにまき散らし冒険者にダメージを与える。
その中で唯一立っている俺に向かってきたので動きを念力で止めてみた。
ん?コイツ力凄いな。結構集中しないと止められない。これは首を折るのも苦労しそうだな。
余計な事を考えたせいで念力の拘束が緩んだのか、頭上に振りかざした剣を振り下ろそうとしたのでのチョット慌てて呟いてしまった。
「
『ピシャドドーーーン!!!』
腹に響く轟音を伴い一条の
余りの衝撃にマット達も吹き飛ばされ転がる。俺は攻撃の瞬間にシールドも戻したから平気でした。今度、二重に張る練習してみよう。
やっぱり威力が強すぎたか。テストには良さそうだと思ったんだけどな。マット達感電してなきゃいいけど。
親玉は仁王立ちのまま黒焦げだ。うん、多分もう動かないだろう。口から煙が上がってるもん。
後は張り直したシールドの外の小鬼達だが動いてるのはそんなに多くはないかな。森の連中もこっちに連れてきたいんだけど、おれが移動するとシールド消えちゃわないかな。
「マット、生きてる?」
「何?良く聞こえねえんだけど!」
上半身を起こしたマットが答えるが声デカッ。雷の音のせいで耳が聞こえ難いらしい。それより髪の毛が…。笑っちゃ拙いよね。クフフ
「いーきーてーるーかー」
大声でもう一度聞いてやる。
「おお、大丈夫だ。あちこち痛えけどな」
「すーこーしーだーけーこーこーたーのーめーるーかー」
何のコントだよ。
右手でサムズアップを返してきたのを確認して『移動』
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