第9話 解決から新たな始まり
我が家の玄関は、開けたり閉めたり大忙しだったようだ。帰ってお風呂に入ったら寝てしまった。そのためメイドに聞いた情報だ
お腹が空いて目覚め、食堂へ向かった。
声がする。
お父様、お母様、フリップ王子様、サリバン様にトルネス公爵様?
食事をしながら談笑していた。
「何故?」
と私が言うとサリバン様が、笑いながら手を上げ
「気をつけろって言ったのに、でもルイーゼ嬢の魔法のおかげで解決だな。私は、教室にいるフリップが偽物か操られているか見分けがつかなくて、なるべく距離をとっていたんだ、だからマークのあの変な魔法にも惑わされてないし、ルイーゼ嬢も休み時間を図書室や庭のベンチで過ごしていたから魔法にはかからなかっただろう。そこら辺が狙われた理由だな」
と言うと、フリップ王子様が
「本当にルイーゼ嬢には感謝だ。ありがとう」
と言ったので私は、
「いえ、自分の脱出のついでみたいなものです」
と言うと、お母様に
「なんて言い方ですの?ルイーゼ」
と先程まで感動の再会だったのに、元に戻ってしまった。
「まぁまぁ、サラサにルイーゼ、お客様の前だよ」
とお父様は笑う。
食事を頂いていると、これで解決したのだろうと思ったら、まだのようだ。
これから、フリップ王子様はトルネス公爵家に移る。警備など我が家よりしっかりしてそうだ。
「ルイーゼ嬢も来るかい?」
とトルネス公爵に言われたが、私は大丈夫。問題なしとばかりに手を振る。
みんなが笑う。何故かはわからない。
「怪力だと思ったら、まさか魔法が使えるとは驚いたよ」
とサリバン様が帰り際に言う。
「怪力って」
やはり、そう見えるよね、とぶつぶつ言っているとフリップ王子様がゲラゲラ笑う。
「手で檻の棒三本の鉄を束ねて寄せた」
と言いながら笑う。王子とサリバン様が怪力怪力ってどこの小学生かって。
「では、学園でまた会おう」
と最後言っていたが、脳みそ小学生だな、あいつって思ったら、王子とか敬えない。
お父様は、
「困ったね」
とか言っているけども。お母様は、怪力って聞いてからメイドに運ばれていった。
少し家でのんびりして、サリバン様から学園に来てももう大丈夫と連絡がきた。
もうサマーパーティーの時期だ。
お母様は、ドレスやアクセサリーをあれこれ商会に命じてる。ここはお母様にお任せします。
お母様のこういう力、必要なのだと少し今回の事件でわかった。
私も子が出来たら助けになるよう学ばないといけない。お母様の話を聞き理由も聞くとちゃんと必要なことがわかる。
明日から学園に行く。試験の結果も気になるし、もちろん、事件の事も。
教室に入ると、シーンとなった。居た堪れない気持ちになるが、何もしてない私は、小さな声で
「おはようございます」
と言い席につく。
教室内がやけに静かだ。
ナタリア王女御一行がまだ来てない。フリップ王子様達も。偽物が来るのかしら。
お父様も教えてくれてもいいのに。
「おはよう」
とサリバン様がきた。人気者のサリバン様は、すぐに囲みが出来る。流石、公爵令息。
「ルイーゼ嬢、おはよう」
とわざわざ挨拶に来た。令嬢の目が怖い。
「おはようございます」
と言い、
「お昼休みは、生徒会に来るように、伝えたよ」
と言うと席に戻って行く。
キャーと悲鳴が上がった気がしたが気にしない。生徒会で事情聴取かしら。
解決したと思って学園に来たけど、まだなのかしら?
生徒会につくとフリップ王子様がいた。
「ようこそ生徒会に」
「何を言っているのかしら?」
と不思議そうな顔すれば、サリバン様が
「心の声漏れてるよ、ルイーゼ嬢」
とゲラゲラ笑う。
「いや、1学年のトップ3が生徒会に入るんだよ。毎年、決まりだよ」
とフリップ王子様が言った。
「あぁ私は、一昨日試験を受けて順位が決定した。私が1位でサリバンが2位、ルイーゼ嬢は3位だ。二年三年もいる。仲良くやろう」
「いやいや、ルイーゼ嬢に説明しろよ、あの後を」
とサリバン様が促した。一回頷いた後、
「すぐにマリノティオ伯爵が男と女を捕まえてくれた、そこからマゼラン侯爵の遠い親戚だとわかり、マークとキースは、自称国王陛下の隠し子で魔法を使える事で養子縁組をした。国王陛下は認めてはいない。そして私に化けてたキースと肉体関係を持っていたナタリア王女はショックで自分の国に先日帰った。ミリナ嬢は、母親から命令され王子に近づき、ルイーゼ嬢を嵌めろと命じられたと、告白した。多分男爵を剥奪の平民になると思う。カリバはマークの魔法にかかったとはいえ、どちらが本物かわからなかった、気づいた時にはしてしまった事の大きさに耐えきれず、マークに何度も魔法をかけてもらっていたらしい。修行のためとやり直しの為、騎士学校に行った。マークとキースに関しては、牢に入れてまだ審議中、後聞きたいことは?」
「全ての犯人は、マゼラン侯爵って事ですか?」
「マゼラン侯爵が言うには、学園時代に付き合っていたミリナ嬢とアリーナ嬢の母親から聞いた、この世界は、ゲームだなんだって言っているらしい、頭がおかしいと事情聴取者は言っている」
「そうですか」
一人でこんな事出来るのかしら。あまり納得できないが肯定した。頭を掻きながらサリバン様は、
「だいたいそんな感じ、で生徒会引き受けるよね」
と言う。なかなかせっかちな人だ。
「決まりなら引き受けます」
と答えるとフリップ王子様とサリバン様が笑った。
「まず最初の仕事は、サマーパーティー。上級生の仕事を見ながら教えられ覚えるって事だ、今日から昼食は、生徒会室で取る、隣に用意されているから行こう」
とフリップ王子様が言って立ち上がる。隣の部屋が開き、用意されている料理に給仕付き、何か眩しい世界を見ているようにキラキラしてる。言われるまま席につき、食事を取る。
「学園で誰かと一緒に食事をするの、初めて」
「あ、私もだ」
「俺も木の上とか隠れながら食事していた」
と笑った。これでやっと普通の学園生活を送れると思った。
しかし、生徒会って花形だ。目立つ。上級生これがまた高位貴族の人気者。
お父様に話せば、
「なんで自ら大海の渦に飛び込むかな。信じられないよ。だってまだゲームの2の存在だって明らかじゃないよ。終わったと思ったかい、ルイーゼわかってる?」
全くわかっていませんでした、お父様。
「私、今から生徒会辞めるわけにはいきませんか?」
と言ってみたら、フリップ王子様とサリバン様が笑った。何にも言わない。
それって、肯定?否定?
って言うより無視、聞かなかった事になっている。
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