天才少女ナライ異世界で魂を製造して成り上がる
きしべの あざみ
第1話 飛び級
佐久間ナライは、常に成績優秀で、高校では春の全校統一テストで三年生を差し置いて学校でトップの成績だった。天才と表現してもいいだろう。
『ナライには、負けられない相手がいる』これは、ナライ獲得の重要な情報だった。シェパードはゴミ箱の中から一枚の走り書きのメモを拾うと、咥えて次元の穴に運んだ。
あの子に一生負け続ける気がして、せめて頭脳位は勝ちたい!
すでにナライの頭脳に目をつけている者たちもいたが、いち早くコンタクトをとることに成功した。それは、より高いレベルの学習設備が揃っている、第三次元の『イースト電子大学』への編入だった。
公立高校に招待状を持参し、学費免除の特待生として受け入れると約束した。ナライは、二つの学校で学ぶことを希望した。
公立高校から帰るとすぐにPCの前に座った。バーチャルの教室や研究室に行って、全ての時間を勉強に費やした。ある日、大学の掲示板に、成績上位者の名前が貼り出され、褒賞金と、景品があることを知った。
佐久間ナライは迷うことなく書類にサインして、『第六世界に行きたい』と希望を伝えた。世界には11の異世界が存在することは、ある一部の者には周知の事実だった。
ナライのライフワークにしていた研究は、そのうちの第六世界が欲しがっていた。研究を初めた頃に、第六世界のお偉いさんが何回か接触して来た。
そして大学はセキュリティを強化して、ナライが研究を続けられるように、必要とする鉱物や材料、施設も提供してくれた。
研究をしながら、大学も、二年で首席で卒業したのだ。
この喜びをたったひとりで噛み締めている。
母さんは嫌い、父さんはもっと嫌い、バーチャル世界の友人や研究仲間はいても、リア友はいない。
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