不完全クリームパスタ
こんにちは。木元です。引っ越しを機に長年苦手だった掃除機を卒業し、クイックルワイパーを買いました。音が出ないから時間帯を気にせず、思い立った時にすぐ掃除が出来るこの利便性、噂には聞いていましたがスバラシイ。もう掃除機には戻れません。掃除機が苦手な理由は子供の頃から一貫して、音が不愉快だからです。以前弟に、「姉ちゃんは耳がいいからなんじゃない」と言われましたが、本当に耳のいい人は「(電話の)子機取って来て」を「フォーク持って来て」に聞き違えて、「何でいきなりフォーク……?」と思いながらフォーク片手に接近し、相手に怪訝な顔をされる
そんな当てにならない弟に以前、「料理も見た目が大事」という話を聞いた事があります。同じ味のものでも盛り付け方次第で美味しそうに見えたり不味そうに見えるとか。内容は同じなんだからそんな事ある訳無いだろうと思っていました。
この頃、引越しがきっかけで頻繁に自炊をするようになり、一層美味しいものが出来ると写真を撮り、気が済むまで方々で見せびらかす習慣が生まれつつあります。相手によっては「え!? 食べさせてくれるんですか!?」なんてポジティブな反応をされますが、そんな話はしていないので無視して去ります。見せたいだけです。子供の頃虫取りしてて、一際でっかいバッタとかクワガタ捕まえたら誰かに見せたくなったでしょう? それと同じです。
で、その写真とはスマホで撮ってるんですが、撮影の際「こうした方がより美味そうに見えるのでは?」と、お玉やお箸で具材の位置をちょっといじったりする事があるんですよ。その時、先の弟の話を思い出しました。確かに味は同じなのに視覚情報によって印象が操作されてる! 人間って面白い。思い込みそのものだ。
私はこうした、薄っぺらな基準でものを判断しがちな人間の機能が馬鹿らしくて好きです。「脳味噌が優れた種でありながら上辺でしかものを見ていない。複雑かつ出来はいいのに簡単に騙されるこの安っぽさ、宝の持ち腐れを地で行くこの愚かしさこそが、人間なんだろうな」と感じる瞬間が好きです。何故かこの至らなさが可愛らしく感じます。人生を達観してそうに言えば不完全を楽しむ心の余裕を持っていて、正直に言えば性格が悪いだけかもしれないと思っています。ご都合主義なハッピーエンドな物語を好めない理由はここにもあって、完璧って退屈なんですよ。それ以上のものが無い状態という事は、その地点からどこへ進もうが前進出来なくなるって事ですから、私にとっては無味乾燥な行き止まりなんです。でも完璧目指しますけどね。理想もプライドも高いので。でも本気で完璧になりたい訳じゃなくて、到達出来ないだろう高い目標を立てる事により前に進み続ける気持ちをずっと持ってたいってだけですから、やっぱり完璧主義では無い事になるかもしれません。夢は叶える気満々ですけどね。そもそも諦められる願望を夢とは呼びませんし。私はですけれど。
今日は鶏肉、チンゲン菜、しめじ、玉ねぎで、クリームスープパスタを作りました。早速弟に写真を送り見せびらかしまして、先程返信が来ました。「美味そうだがパスタをどんぶりに入れて食う奴は許せない」との事でした。弟は自炊が出来ません。「土でも食ってろ」と返信しておきました。
今日も遥か遠くの完璧と夢を目指し、小説書こうと思います。
それでは今回はこの辺で。
よい一日を。
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