第37話 印象調査
切り抜き動画や康介から聞いた話な内容を考えていたとき、ふと思い立った企画。題して「子月 ななの印象調査!」だ。
どうも自分が思っている”なな”の印象と他人が見た時の印象が違うようなので、それなら企画にしてしまえということだ。まさしくユーチューバーといったところだろうか。
アンケートページを作成して質問を考えていく。
[1]子月ななは可愛い?
[2]好きな配信内容
[3]ガチ恋してる?
[4]子月ななの印象
こんなところだろうか。あんまり多すぎても集計するのに時間がかかってしまうのでとりあえずこの内容でアンケートを作成する。
Twitterで告知をしてアンケートページへのリンクを貼り付ける。
すると瞬く間にリツイート拡散されてアンケートへの回答が行われていった。とてもありがたいことだ。
「なんとか企画倒れせずにすみそうだな」
ひとまず安堵だ。
配信は回答がある程度集まるまでは待とうと思うので明日の夜位だろう。後は面白い配信になるように祈るばかりだ。
〇〇〇
ひとまず配信の作業を終えた夕方ごろ。
よほど疲れていたのか寝室で俺のベッドを独占して爆睡していた千鶴が起きてきた。
「めっちゃ寝るじゃん」
寝癖の付いた頭を搔きながら眠そうに欠伸をしている。
「昨日めっちゃ疲れたし~」
今日は休みなのでどれだけ寝ててもいいらしい。
「てかそれ、どしたの?」
千鶴が机や床に散らばった紙を拾って読み始める。
「明日の配信で印象調査しようと思ってアンケートの集計してた。紙の方が見やすいからとりあえず印刷して分けてんだよ」
「ふーん。てか印象調査って?」
「なんか千鶴が”なな”をやってくれたのと普段の俺の”なな”でかなり印象が違うっぽいんだよ。そこでリスナーに向けて印象調査しようって企画」
「あーね。確かにいつもの”なな”の感じは私も出来てないな~って思ってたわ。兄貴がそれでいいっていうからあのままにしたけど」
「お前も気づいてたのかよ。まぁ俺個人的にはアレくらいで似てるなって思ってたんだけどな」
「自己評価高すぎ! 普段もっと口悪いしエアコメめっちゃ読むし!」
「エアコメは今関係無いだろ」
「だとしても無意識で話してんの?」
「脊髄トークだから……」
「今度からはもうちょい考えて喋ったほうが良いよ」
千鶴からも辛口のコメントをもらってしまった。
「……Twitterにアンケートページのリンク張ってるから良かったら答えてくれ」
「りょ~」
いろいろ言われてしまったがとりあえずは目の前の仕事に集中だ。
よく考えてみればやってること社畜時代とあんまり変わんないな。
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