第3話 Meeting

私たちは急遽、旅館の中にある会議室に集められた。

「美香ちゃん、やぁ」

私を読んだのは金沢北介さん。

女将さんの夫だ。

女将さんの名前は金沢文枝。

女将さんはきっぱりしていて厳しい性格を持っているが北介さんはとても優しく、私の相談役として話を聞いてくれることもよくある。

「北介さんっ!こんにちは!」

私は北介さんに挨拶をして席についた。

板前の3人だけでなく、清掃員、ロビー員など約30人の人が集まった。

そして私たちを呼んだ女将さんが会議室に入室して、席についた。

「今日はみんなに報告があって集まってもらった。」

みんなの目つきが変わり、真剣に女将さんの話を聞く。

「旅館を貸し切るほどの大団体客の予約が入った!」

全員が驚いていた。

過去に団体客が訪れることは何度かあったが、旅館を貸し切るほどの大団体ははじめてだそうだ。

すると清掃員長が口を開く。

「女将さん、それって一体どんくらい……」

女将さんが答える。

「東京の修学旅行生だよ。230名の学生と先生が訪れる。50部屋中46部屋が埋まってる。あんた達には迷惑をかけると思うがぜひ頑張ってほしい。そして私が心配しているのは板前の3人だよ。」

私たちは反応する。

「230名が同じ時間に大宴会場で夕食、朝食を食べる。ものすごい量を作らないといけない訳だ。修学旅行は9月2日、3日になる、それまでにしっかり準備しておいてくれ。」

能登さんは勢いよく、

「はいっ!」

と返事をした。

2014年8月1日。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る