パチンカスの逆襲★~魔法とパチンコと宝くじでお金持ちで人生楽に暮らそう~

緑豆デルソル

第1話 ウリンとの出会い

  俺の名前は銀玉男ぎんたまお、37歳。


 先月まで介護の派遣社員をしていたが、職場の人がコロナにかかってしまい、2年間働いていた職場を辞めた。


 貯金は残り22万円。

 今は就職先を探しながら、失業保険を貰っている。


 ★2021年11月11日★


「ジリリッ ジリリッ」


 朝8時の目覚ましが鳴る。

 仕事を辞めた俺だが、起きる時間はいつもと変わらない。


 俺は目覚ましを止めるとベッドから飛び起き、シャワーを浴びる。朝食はいつものシリアル、これで栄養補給はバッチリだ。


 現在の時刻は9時、北海道のパチンコ屋は開店が始まっており、俺も近くのパチンコ屋へ向かった。


「今日も5スロで遊ぶかな」


 店に着くと大通路をずんずん進む。

 1000円200枚で遊べる5円スロットに向かう途中、ふと一台のパチンコ台が気になった。


 そのパチンコ台は爺さんが座っていたのだが、なぜか腕を組んで画面をジッと見ている。

 不思議に思い、俺も画面を見ると、台が急に叫んだ。


「ウリンのぉ~、ぶるっぶるぶるぶる~~、ぶるぶるチャンスぅ~~!!」


 パチンコ台では、ツインテールピンク髪の女の子が、目をつぶりながら両腕をぐるぐる回していた。


 女の子は続けて「ボタンを押し続けて♪」と言い、爺さんはボタンを押し続ける。すると大きなホタテが画面に現れ、7図柄が揃った。


 爺さんがうなずく。


 俺は、爺さんに訪ねた。


「爺さん、今の女の子は?」

「ああ、今のはウリンちゃん。海物語で1位2位の人気を争う女の子じゃ」


 ウリンちゃんか、納得の人気だな。

 見た目が可愛く、「押し続けて♪」と教える優しさもあり、図柄を揃える強さもある。強さ、優しさ、可愛さが揃った女性。

 完璧だ。


「爺さん、ところでウリンちゃんの年齢はいくつなんだ?」

「ウリンちゃんは永遠の15歳じゃ、この前41回目の誕生日を迎えて15歳になったばかりらしいぞ」

「そうか、ありがとう」


 爺さんに礼を言ってその場を離れた。


「今のパチンコってあんな可愛い子がいるんだな……」


 独り言を言いながら大通路を歩き、5円スロットコーナーに到着した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る