第400話 歓迎会 伝説の英雄

「「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」」


 エレンお兄様を含め、私とフィルとルミエ様とガルスさん以外の11人全員が固唾を飲んで押し黙っちゃったけど……それも仕方ないかな?

 だって目の前には……


 ノワール様、サタン様、シルフ様、レヴィア様、ベル様、マモン様、アス様。

 私達の大陸ではごく一部の人でなければ、その名すら知り得ない存在。


 一般的に悪魔族デーモンの最高位とされ、冒険者ギルドの基準で特Sランク・神災級である最高位悪魔アークデーモンをも超越した大悪魔!!

 悪魔族の支配者階級であり、悪魔界を統治する七柱の悪魔公デーモンロード


 残る記録はかつての聖魔大戦のみであり、大戦にてその猛威を奮ったと言い伝えられている超越者とも呼べる存在。

 そんな伝説の七柱の大悪魔が! 七魔公の方々が目の前にいるんだもん!!


「ふふふ、それではこの場を借りて」


 ノワール様?


「いと尊き我らが神のお言葉を伝えましょう」


「っ!!」


 って事は魔法神ティフィアの!?


「『Sランク冒険者の諸君、ようこそ我が国へ。

 まずは自力で我が国に辿り着いた、諸君らの偉業を讃えよう。

 そして世界は広い、存分に驚き、存分に楽しみ、心ゆくまで我が国を堪能してほしい』以上です」


 魔法神ティフィア様が、この伝言を私達に……!!


「ありがとう、ノワール。

 それで……彼女から私には、何か伝言はありませんか?」


「ウフフ、いえ一言も。

 それ程までに、ご主人様の怒りは大きいのです」


「そう、ですか……」


 おおぅ、冷たい笑みを浮かべて国王陛下を見据えるノワール様の言葉を受けて、その神の如き……というか、まさしく神の美貌たる、ご尊顔をしゅんとさせて落ち込んでしまわれちゃった。


 この態度から見ても、かなりのショックを受けてらっしゃる事が見て取れるし。

 魔法神様を愛していらっしゃるんだろうけど、どうして浮気を勘違いされる事なんてしたんだろ?


「わかりました。

 では続いて……」


「大賢者マリアよ。

 オルガマギア魔法学園の学長兼、魔導学園都市王国の女王をしているわ」


「さっきも言ったけど、私の名前はターニャ・ポルヴェレ。

 魔導学園都市王国の第二魔導主であり、賢者筆頭。

 そして貴方達の大先輩の特Sランク冒険者で、特Sランクパーティー星屑の剣のメンバー。

 紅蓮の魔女と呼ばれているわ」


 特S……ってなに!?


「同じく特Sランク冒険者で、星屑の剣のメンバーのアナです」


「同じく、マナです」


「俺はマイク。

 星屑の剣の盾役です、よろしく」


 ひょあ〜っ! 聞いた事ある名前が! 本で読んだ事がある伝説の英雄達が目の前にぃっ!!


「では次は私が。

 私の名前はリーゼ・スパーダ、以後よろしくお願いします」


 えっ? リーゼ・スパーダっていうと、エレンお兄様のお嫁さんであるディアお姉様のご先祖様であり、剣聖としてその名を馳せた……


「次は俺だな。

 俺はリヒト・アルダール。

 元Sランク冒険者で、昔はS級クラン・白の騎士団の団長をしていました。

 どうぞ、よろしくお願いします」


 リヒト・アルダール……白の騎士団……


「では最後に、改めまして私が。

 お嬢様の執事兼、この国の軍部を預かっております、グランと申します」


「本来なら彼らの他にも、グラン以外の七眷属や、各都市の長達など、紹介したい者はまだまだいるのですが……それはまたにして、今は気兼ねなく楽しんでください」


 国王陛下がそう言って締め括ったけど……


「この国、ヤバすぎる」


 ラピストさんの言う通りっ!!

 こんなメンツが揃ってて、気兼ねなくとか不可能に近いんですけどっ!?

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