第98話 魔導学園都市王国
「ん〜! 着いた〜っ!!」
ステータス鑑定の儀式ならびに、パレードと祝賀パーティーから1週間!
コトコトと、ゆっくりのんびりとした馬車の旅を経て! ついに辿り着いた目的地!!
「おぉ〜!」
どこを見ても魔法、魔法、魔法!
空飛ぶ絨毯に、馬がなくても自動的に動く馬車! いや、アレはどちらかというと前世の記憶にある車ってやつかな?
そしてなにより! 国の中央に聳え立つ巨大な塔っ!!
「ここが有名な四大国が一国、魔道学園都市王国!!」
「お嬢様! いきなり馬車から降りたら危ないですよ!!」
「むぅ〜」
「まぁ、ちょっとくらい良いじゃない。
それに、ソフィーなら動いている馬車から飛び降りてもなんの問題もないわ。
心配しなくても1人で馬車から降りる事くらい普通にできるわよ」
「うんうん!」
ルミエ様のいう通り!
確かに貴族令嬢ならば馬車から降りるときは誰かの手を取ってエスコートしてもらうものだけど……今回は公爵令嬢として公式に訪問したわけじゃないし、私のことを公爵令嬢だって知ってる人も周りにいない!
つまりっ! 1人でパッと馬車から降りても問題ない!
ちょっとくらい羽目を外しても、はしたなくても、はしゃいじゃってもなにも問題ないのであるっ!!
「もう! ルミエ様はお嬢様に甘過ぎます!!
お嬢様が足を挫かれたらどうするんですか!」
「ふふっ、ファナの方が過保護すぎるのよ」
まったくもってその通り!
ファナだけに限らず残念なお父様、お兄様達を筆頭にルスキューレ公爵家の人達はほとんど全員が過保護すぎる!
まぁ、ストッパー役であるお母様のおかげで多少は抑えられてるんだけども。
今の私は運が良かったとはいえ、八魔王の一角だった魔王ナルダバートをも倒せるほどの実力者なのに……馬車から1人で降りただけで足を挫いたらって!
「もう、ファナったら心配しすぎ!」
「ですが……また、お嬢様に何かあったらと思うと……」
「うっ」
それをいわれちゃうとなぁ……本当なら死んでる大怪我を負って、1週間も寝込んじゃったことが原因で心配をかけた自覚はあるから強く出られない。
「でも、もし私が足を挫いてもファナが治してくれるんでしょ?」
「っ! も、勿論です!!」
「ふふっ、なら大丈夫じゃない!」
「っ〜お嬢様っ! ご安心くださいませ!
たとえお嬢様がどのようなお怪我をなされても、このファナが治して差し上げますから!!」
「う、うん、よろしくね?」
「まったく……到着早々、貴女達はこんな道のど真ん中で何をやっているのかしら?」
「ふふっ、これがルスキューレ公爵家での日常なのよ」
「っ! マリア先生っ!!」
いや、そんなことより!
「ファ、ファナ! みんなに見られてるから!」
なんか生暖かい目で、微笑ましそうに周囲から見られて恥ずかしいから離してっ!!
「ふふっ、申し訳ございません。
では私は馬車を預けて参りますね」
お、おぅ……周りからめっちゃ見られてたのに、一切気にすることなく行っちゃった。
っと、今はそれよりも……
「マリア先生、お久しぶりです」
「ふふっ、まだ1週間で久しぶりってほどじゃないけど……まずは、そうね。
ようこそ我が魔導学園都市王国へ、歓迎するわ」
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