ーー014 ウヰスキー
俺はもう本体が向こうにあると思っていないようだ。
かと言って、こっちが実態世界だと思っているかと言うと、まだ夢心地な感じでもある。
チビドラの羽毛は鱗に成り、おっちゃんの協力でチビドラに魔力を使うことを覚えさせ、飛べる様になっていた。
うさぎはウーサと言う名にした。他のうさぎ達との区別のため。その名はうさぎも認めたので安直とか言ってはいけない。本人が気に入ってるんだからな?
ウーサ。後に時の女神の名前と成る。 嘘である!ウーサつき、うーそつき、うそつき=嘘という言葉の語源である。
冗談はさておいて。
チビドラが飛べたのだ!
ぱたぱたと小さい羽、どう見ても物理的には飛ぶのが不可能な小さい羽を羽ばたかせて飛ぶ?浮いている。
感動だった!!
はじめて立った我が子を見る親って、こんな感じの感動してるんだろうな、と思った。
「あーよくできたよくできた!がんばったなーチビドラ!すごいぞー!ほんっとすごいぞー!飛べたんんだよなー!すごいなー!えらいなー!がんばったなー!!」
と、だっこしてなでまくった。
ちびどらはみぎゃみぎゃよろこびまくった。勢い余ってぽっぽっと口から火がでている。
「・・おっちゃん、チビドラ、炎のブレスとかも自在に使えるように成るかなぁ?」
「うん、これから訓練していくのがいいかな。」
やってくれるそうである!!
子供が育っていくのは幸せである!!
「魔法も一緒に教えていくから」
と、おっちゃん。
へ?
「飛ぶのは魔法の力で飛んでる。火を吐くのも当然だが魔法のちからだよ?」
と、おっちゃん。
そーなんですか・・・そーだよなー、よく考えりゃそうでしかないよな、特に飛ぶのは。
羽なんかちっこいのだから。鱗の羽重いし、ジェットエンジン位ないと浮かないわなw
魔法覚えると人の形になれるから。とおっちゃん。たしかにそうだろう。
・・・・・あれ?・・なんかひっかかるけど、まいっか。
おっちゃんが毎日来てくれて、店は娘に任せるといってくれてるんで、朝におっちゃん迎えに行って家に連れてきてから俺はギルドに行き、簡単な依頼を受ける。
さくっと狩れるものとか、採取とか。
大体家を中心に行動できるしw
まじ転移能力便利すぎっつ!!!
未だに寝る前に魔力使い切ってるんで、それも役に立っているだろう!
って、ウイスキーのコピーも随分溜まっていると思う。今度どっかに売りに行こう・・・
あ、
「おっちゃん!帰りにこれ持ってって。って、どうせ俺が送るんだけど、先に言っておく。酒だけど好きだよね?」
「お?・・おっ??・・・おおっ?・・おおおおっつ!!!!う、ういすけではないのかっつ?!!?!!」
江戸時代の人?
ポケット瓶10本をテーブルの上に出したのだ。
「まぁそーっすけど、好きですか?」
「好きも何も、一度しか飲んだこと無いわっつ!!」
「どーでした?」
「いや、うまいのうまくないのっつってっつつつつ!!!」
どっちなんだ?
「えっと?」
「いや、ありがとうっつ!!家宝にするわ!ドラゴンのお宝だっつ!!」
ちがうとおもふ
「いや、そんな好きならまだいっぱいあるんで、」
と、ごろごろとストレージから出した。ポケット瓶だけど100本はあるよなー。
「・・・・・」目を丸くしてるドラゴン人おっちゃん。固まってる?
つんつん・・
「・・い・・いいのか?、あんたのは?・・好きくないの?」
「いや、俺のは他にまだあるし」
「・・訊いていい?」
「どうぞ?」
「どんだけ、持ってるの?」
「うーん、複製できるんで、無限大?俺の魔力使い切るために毎晩造ってるし(半分はうさぎの桃缶だけど)?」
「・・・・・ふ・く・せ・い・?。 今、複製って、言った?」
「ええ、複製ですけど?」
へへぇーー!!
っと、おっちゃん俺の足元に度げ差して俺のつま先に額を押し付けてた。
「何してんすか?」
「どうやったって敵わない狂者、じゃない強者で、それに従いたい場合、ドラゴン人はこうするのだよ。」
・・・・??
「えっとー、従いたいの?」、多分、というか絶対ウイスキーだろうなぁ・・・
「ああ、もう心底従いたいね!!どこからどこまでも従いたくって仕方ないくらい従いたいね!!」
おっさんギャグ?
「えっとー、従わなくてもウイスキーくらいならいつでも複製しますよ?」
「神かっつ!!!あんたは神かっつ!!!」
今度は拝みだした、なんか、なむなむとかあらぁとかてんにましましでとかつぶやいてるけど、どこで知ったの?
「いや、うさぎ達にも世話に成ってるお礼に桃缶毎日複製しているし?」
「え?これ以外にも?複製してるの?」
「まぁ、単なる缶詰ですよ?」
「いやいやいやいや、なんだろーと、複製魔法だよ?」
むずかしい系魔法なのかな?
「・・そうか、よく考えりゃ、転移できる、それも何人も連れての転移ができるんだ。神業だよなー」
とか納得している。ドラゴン以上だと神なのか・・・
前任者ってもっとできたような感じなんだが、俺らフツーじゃないんだ?
まぁ、できないより出来る方がいいけど?
「それはタコさんが、ドラゴンの子を託される程親ドラゴンに信頼される強さを持っている、ということからもわかりますね。」
と、いつの間にかチビドラと一緒に側に来ていたうさぎがのたまう。
まーそらそーかー、そういうことかー、
今に成ってなんとなくそーなんかな?って少しわかる。
「んじゃ、俺程度なのが、あまりいないんだ?」
「はい。ここに湧く人以外では見たことナイです」うさぎ
湧いたんだ俺達(前任者達)・・・
「・・達?」おっちゃん
「はい、ここに湧いた人は多く居ます。皆です。」うさぎ
皆こんな程度魔法が使える者ってことだろうな、うさぎの言うこと。
「・・・・何人も、いるの?」
おっちゃん、どうしたのかな?
「はい、今はもうここに居ませんが、皆旅立っていきました。」
「どこに?」
「さあ?」
・・・・・
「遠く?」
「多分。」
はぁあああああああああーーー
と長ーい溜息を付いてから
「よかったぁーーーー」
??
うさぎを見る。
「多分ですよ?私達うさぎには危険な相手がいっぱい居ます。なので危険を知っています。けど、ドラゴンに敵う者って普通いません。だから自分より強そうなのが沢山いると訊いて怖くなったんじゃないですかね?」
なるほど。
「ああ、そうだよ。ドラゴンの中でも人に変化できる魔力を持ったドラゴン人がほぼ最も強い。知能もあるからな。が、タコさん、あんた並のがうじゃうじゃ居たら、そら恐ろしいだろ?ドラゴン達皆狩られちゃう!!」
「いやいや、今までそんなこと無かったんでしょう?ならば、私の前任者達もそうそう無茶はしない人ですよ。(多分?)」
ごめん、俺、前にドラゴン狩ったわ。でもあれ、逃げようと思ったら襲ってきたから反撃しただけだからね?でも言わないでおこう。
「ああ、なるほどな。そうだといいけどな。ひとはころころ変わるからなぁ・・・。」
まー、そー言われりゃ、反論できないっすけどねー。確かにそういうのは多い。
「なんかそういうあぶなさそうな人が居たら、俺が話しますよ。多分、話は通じるでしょうし。」
「そうですね。前の人だったら、タコさんと話をすれば解ると思います。」
「いや、お前知り合いだろ?うーさが話すほうが信頼関係あるだろーが」
「それもそうですね」
「はー、よかった、2人も防波堤に成ってくれる者がいた。」
防波堤?・・・・・・
それから落ち着いたおっちゃんが昼飯造ってくれ、午後はちびどらのブレスと飛行と魔法のレッスン。ついでに、とウーサにも魔法使えないかと教えていた。
前のひっかかりが氷解した。人に化けられるんだ、できるだろうな。誰も教えてくれなかったからできなかっただけじゃないかな?というか、自分で気づけよ?、何人もの異世界人相手にしてきたんだからー。
・・・・
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
あれ?
ウーサ、何歳?
結局怖くて訊けなかった。
帰り、おっちゃんを送ってった。
おっちゃんには
「ウイスキー、無くなったらまた同じくらいあげるから。」
「じゃ、今日飲み干してもっつ!!」
・・・
「ごめん、撤回、毎日100本のコピーはツラすぎる(同じものを連続してやってると、次第になにやってるのかわからなくなってくるw)・・」
「・・ごめん、んじゃ、10本くらいにしておく」
「おう、悪いね、そのくらいにしといてね。」
あ、
「そういや・・
と、獣人の寿命や年齢について訊いた。
ドラゴン人は1000年位生きるものいると。おっちゃんの年齢は「ひ・み・つ・!」とか言った。殴りたく成った。
うさぎ人は2−300年じゃないか?と言っていた。「短いんだよなー」とも。
んじゃ他の獣人はもっと長いんだ?つか、やっぱ他の種類もいるんだ。猫、いるかなー♪
ちなみにこの世界の人は、寿命なら80くらい。でもすごい魔法使いとかになると、何歳なのかわからん者もいるという。わからん、ってのが怖いね?
「タコさん、あんたも何歳まで行けるかわからんクチだよ?」
「へ?なんで?」
「・・・・なんでもかんでも、その魔力量。すごい魔法使いとかを凌ぐよ?まだ魔法の種類が多いとは言えないけど。」
へぇ、そうなんだ?実感はしない。
「まぁ、そうであってくれるほうが良いけどね。なにせひとはあっという間に年寄りになって逝ってしまう。つまらないよ。」
そういうことが何度もあったようだ。
「わかった、長生きしますよ」
「たのむね。」
多分、ウイスキーだけのため、じゃないな?
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