田中さんの推し事

ネムネムZzz

第1話 田中さん

古より人々は応援という名の【推し事】に熱狂していた。


「推し事」(おしごと)とは、推しを応援するためにする活動のこと。

その意味は非常に広く、「推しを応援する」という目的でとられるありとあらゆる行動がこれに該当する。

推しの出る舞台を見に行く、有料動画を見る、CDを購入する、といった直接の消費行動はもちろんのこと、友人に布教する、SNSで良さを語って拡散する、推しのグッズを買うために貯金する、推しに無様な姿を見せないためにダイエットする。

                           


俺は去年仕事を辞め地元に戻りサラリーマン生活を送りながら

趣味で推し事をしている。


そんな俺はある日、仕事終わりにお墓の横を通った

するとお線香の様な煙が顔を包んできた

怖くなった俺は辺りを見渡して誰も居ないのを確認した

帰る寸前まで降っていた雨も上がり、ラッキー!なんて思っていた

矢先にこれだ

怖くなり早足で家路を急ぎ、さっきのは疲れから来たものだと

思い込む事にした。


風呂に入り、食事を済ませ、

Vtubeyの配信を見始めた。

俺は個人から箱までVでれば基本応援している

顔出しの配信も好きだが、基本的にはVが好きだ。

【個人勢(無所属)から箱は企業、事務所またはそこに所属している人】

企業に所属している推しの配信も終わり

最近勢いのある個人勢の配信アーカイブを観ようと思った。

その時だった!端末が勝手に動作し始めた!

高評価ボタンが押される!なんだ!壊れたか?1度画面を閉じ、

再度箱Vのエンディングを観に行くとまた、高評価ボタンが押される!

すると横から声がする?

最初は小さな声だったが、次第に大きくなり男の声がする。


「何で高評価は1回しか押せないんだよ~!」よく見ると、オッサンが

高橋名人を彷彿とさせる連打をかましていた。

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