ハイドの祝福の儀


 それからも何度も狩りに行って実力をつけてきた。連携も取れるようになってきて、ローズさん達の出番はもう全く無い。


「私達結構強くなったんじゃない?」

「Cランク冒険者程度にはなってるでしょうね」


「ほら、油断するニャ! 確かに強いのは認めるけどニャ‥‥‥」


「やったぁ! ローズさんからお墨付きをもらったぞ!」

「いや、あげてないニャ。ネロと比べたらお前らなんかまだまだニャ」


「じゃあローズさん、勝負してみる?」

「そろそろ挫折も覚えた方が良いかもニャ‥‥‥。模擬戦してみるニャ?」


「やる!」

「やるわ!」

「やりましょう!」


「ニャ? 三人ニャ‥‥‥?」


「ローズさん、怖いの?」

「ローズさん、余裕でしょ?」

「ローズさん、よろしくお願いしますわ」


「や、やってやるニャ! かかって来いニャ!!」



 ローズさんはさすがだった。三対一にも関わらず俺達に勝った。


「ヒヤヒヤしたニャー。お前達が加護を貰ったらとても敵わないニャ‥‥‥」


 おぉ、そう言えばもうすぐ祝福の儀があるんだ。俺のに合わせてビアンカ、フローラも行う事になっている。

 

 うちは貴族籍は抜けているらしいが、シャル母様とマリアさんがなんか話をしたらしく、神殿で行う事になったようだ。俺は教会でも神殿でもどっちでも良いけどな。


ーーーーーーーーーーーーー


 祝福の儀の日がやってきた。

 割と人数いるなぁ。俺たちは貴族じゃないから最後だろう、と思ったら割と始めの方だった。これもシャル母様、マリアさんのせいなんだろうな。


 俺の希望はやはり剣に関する加護だな。得意分野を伸ばすのが良いと思うからだ。


「次! ハイドールくん、前へ!」

「はい!」


「準備は良いか? ん? キミはもしかして水神の祝福の‥‥‥」

「はい、ネロの子、ハイドールと申します。父をご存知でしたか?」


「そうか、時が流れるのは早いのう。水神の祝福と確認したのが儂じゃからな、彼の事はもちろん覚えておる。そっくりだのう」


 サポートしてる人が小声で、

「教皇様、そろそろ‥‥‥」

「おお、すまぬ。では、こちらにおいで」


「では。天地創造の神々よ。願わくば彼の者に祝福を!!」


 目の前が白くなっていく‥‥‥。

 そして俺は信じられない体験をした‥‥‥。

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