番外編② 娘たちのままごと



 ビアンカ、フローラも3歳になった。大きくなったものだ。ほぼ同時期に生まれたものだから、双子の姉妹みたいなものだ。ずっと一緒に遊んでる。今日はままごとだ。


「ビッちゃんはおねえさんね。フーちゃんはいもうと」

「やだ、フーちゃんもおねえさんがいい!」


「なんで? フーちゃんいもうとでしょ?」

「フーちゃんもおねえさんやりたい!」


 ビッちゃんはビアンカ、フーちゃんはフローラの事だ。二人ともまだはっきり自分の名前を言えないのだ。そしてビアンカが少しだけ月齢が上なのでお姉さんなのだ。


「ビアンカ、おままごとくらいフローラにおねえさん役やらせてあげたらいいじゃない?」

 マリアからの忠告も、

「やだ! ビッちゃんがおねえさんやるの!」


 引かない‥‥‥。元気いっぱいなのはマリアの遺伝だ。


「フーちゃんだっておねえさんやるの!」

 フローラも芯がある、ナタリーにそっくりだ。


 こういうところ、女の子だなぁって思うよ。


「しかし、なんで二人ともおねえさんをやりたいんだい?」


「「だって」」



「「おねえさんの方が先にけっこん出来るんだもん!!」」


!!!! 可愛い!!!!


「だからビッちゃんが先にとーたまとけっこんするの~!」

「やだー、フーちゃんが先がいい!! うわーん!!」


!!!! なんて可愛い!!!!

 フローラ泣いちゃった‥‥‥。

 でもそれも可愛い‥‥‥。


「よしよし、二人ともとーさんと結婚してくれるのか‥‥‥。ありがとう」


「「うん!!」」


「だって、とーたまつよいんでしょ?」

「えすらんくなんだよね?」


 ん? 


「あと、おかねもちだしね!」

「しょうらいあんたいだもんね!」


「‥‥‥‥‥‥」


 女の子は小さい頃からしっかりしてるなぁ‥‥‥。

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