魔法端末


 ギルドに完了報告したらすごく疑われて現場まで受付嬢同伴で確認に行かされた。

 ゴブ狩りの方はどこかで購入したものじゃないかと、確認作業で待たされた。せっかく早く終わらせたのに。

 結局どちらも間違い無い事が確認出来たので無事に報酬はもらえた。アイテムボックスに余っている魔石の買取は今日は頼まなかった。


 寮に帰りシャワーを浴びる。この異世界はシャワーは割とある、石鹸もある。流石に風呂は王族、上流貴族くらいしか無いらしいが。だから割とみんな清潔だ、水神様の力を使って銭湯ビジネスは思ったより儲からないかもしれん。


 そうか、風呂桶があれば水を出すのも消すのも自由自在だ、俺用の風呂を作ろう。幸い部屋は一階だ。階下に水漏れの心配もない。置くスペースもある。早速明日の放課後探して見よう。


 今日が初授業だ。最初だから大したことはしないだろう。今日の科目は魔法理論だ。でも教科書とか無いけど良いのかな?

 教室に着くとそれぞれにタブレット端末みたいのが置いてあった。早速使用してみるかと思ったら先生に睨まれた。はい、説明を受けてからですね。


「これは我が学院の誇る教育用魔道具、魔法端末だ。まず学生証をそれぞれの端末にかざしてくれ。かざした後に手を当てると指紋が認識される。全員出来たな、これで個人の認識が出来た、他人の端末は使用出来ない。ここまでは大丈夫か?」


 おぉ、前世の最新技術っぽい。

「この端末に沿って授業を行なっていく、体育以外はな。手を当てると画面が開くだろう。授業の科目別に書いてあるところ、そうだな今は「算術」を押してみろ。画面が切り替わって数式が表示されただろう。出来たか? 出来たな」


 数式が表示される。横にフリックすると別の式や問題が表示される。まんまタブレット端末やん。


「今日はコレの使い方に慣れてもらう。俺の書いた式や文章が見つかれば今日は終了だ、自由にして良いぞ。昼までに頑張ってくれ」

 おっ、じゃあ風呂桶を探しに行けるな。サクッとやっちまおう。 

 多少使い方の違いに戸惑ったものの前世での記憶のある俺は一番に探し終える、まぁコレは仕方ないよなぁ。

「終わりました」

「ネロ、早いにも程があるぞ、5分しか経ってな‥‥‥、正解だ。上がって良いぞ」

 大学時代のテストも30分で終わらせて退場して別の科目のテスト勉強してたなぁ。


 先生から許可が出たので昨夜の思いつき、風呂探しに出かけよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る