クラス分け


 魔法科一年のクラス分けの発表があった。俺とクリフはSクラスだった。良かった。これでボッチはなくなる。


 先生が入って来て話し始める。

「Sクラス担当のジェラルドだ。俺は平民だがお前らにはこの口調で話す、学院の方針だからな。文句があるなら出て行っていいぞ」

オラオラ系の先生だ、でも悪い人では無さそう。


「貴族でも平民でも学院では一緒だ。だが先輩や教師には丁寧語を使うように、社会の掟だ」

 まぁそうだよね、知らない人と目上の人には丁寧語が当たり前だよね。

「俺はテトラで火、風、土、光だ。疲れてたら言ってくれ、こう見えても回復は得意だ」

 思わず笑ってしまった。見た目ヤンキーみたいだからな。持ちネタなんだろうな。


「このクラスは選抜クラスだ、だが特別扱いはしない、他のクラスの奴らはこのクラスに入るのを狙ってる、お前らは死ぬ気で頑張ってこの席を守るんだ、わからない事が有ればなんでも聞いてこい。出来る限り力になる。何か質問あるか?」

 いい先生じゃないか、見た目はアレだが。

「よし、じゃあ自己紹介して今日は解散だ。そっちの席から順に頼む」

 俺は最後だな。



「クリフ•エステラーゼです、テトラです。クリフと呼んで下さい。よろしくお願いします」


よし、俺だ。

「ネロ•ヴァッサーです。ネロと呼んでください。黒髪黒目ですけど人間です。魔法は水属性だけですがよろしくお願いします」


 教室が騒つく、このクラスじゃ一種だけってあまりいないもんな、黒髪なのも目立つし。

「ネロくんにしつもーん。今どき水だけで大丈夫なんですかー?」

 キタコレ、おふざけ男子のおふざけ質問。確かダニエルつったか? でもまぁ水属性って人気ないからな。


「俺の場合は自分で選べなかったので」

「え~、なんだそれ~。クラスの足引っ張るなよ~」


 どう答えようかと思っていたら先生からの助け舟が入る。

「おい、ダニエル! ネロは一種で合格できてしかもこのクラスだ。それがどういう事かわからないか?」 


 今度は違う感じに教室がザワザワする。ダニエルは悔しそうに席に着くとずっと俺を睨んでいた。


 うん、やな予感。

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