転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
転生編
水道局職員 死す
地方都市で生まれ育った水上修一42歳は、休みであるにもかかわらずその日職場にいた。
その日は天候が悪く過去最高の降水量を記録しようかという大雨。
水道局職員である彼は洪水の危険がある場合呼び出しがかかるのである。
「K川で氾濫の恐れあり、現場に急行」
(やべぇ、あの川すぐ増水すんだよな)
修一は行きたくなかったが、職務上行かねばならず重い腰を上げて同僚と現場に向かう。
川は激しく増水していた。
堤防自体は想定以上の規模で作られているため決壊することはなかろうと思われる。
だが想定量を超えて漏れる「越水」が起こる可能性は否定出来ない。
様子を見ていると微かに声がする。
溺れてる?
川を見る。
特に誰もいない気がするが‥‥‥。
「たすけ‥‥‥」
今度は確かに聞こえた。
注意深く探す。いた!
川に流されてる子供を見つけた。
なんでこんな日に子供が?
そう思うよりも早く助けに走る。
レスキュー隊は呼んでないし、待ってたらあの子は助からない。
ロープを投げる。掴まれ。難しいか。
体にロープを巻き付け川に入る。
あと2メートル。捕まえた。
よし! 子供にロープを巻き付けて同僚に引いてもらう。
川は深さ自体は大したことは無いが流れが激しく立ってはいられない。
あの子は助かったか?
岸の方に引っ張られて助かったはずだ。
良かった。
と、思った瞬間全身を吹き飛ばされた。
そこで意識が途切れた。
たまたま流木が流れて来て彼に直撃。当たりどころが悪く即死してしまった。
家族もなく親戚付き合いも無かったため彼は無縁仏として埋葬された。
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