第553話 救世主への道13
俺はアリシアを取り戻し星の消滅を止めるべき動くことにした。
俺は迷わない、アリシアを二度と失うことが無いように前へ進まなければらないない。
あんなにつらいことだと思っていなかった。
いや、予想はしていたが、いざ、現実になってしまったら取り返しが無い事実を突きつけられて大変な思いをしてしまった。
やはり思うことと、現実に起きたことは違い過ぎる。
しかし俺だけが事実を知って、皆が覚えていないということも変な話だ。
皆は、アリシアが普段通りいたことになっている。
それも村で魔物に襲われた事実はなく、アリシアは今も両親と手紙でやり取りしている。
俺も村に帰りたい思いはあるが、両親からは里心が付くからと帰ってくるなコールがあるが、何となく変わりすぎている俺を見られるのが恥ずかしい。
イーノック王国では、国が管理してくれているとは言え、俺は領地持ちの貴族になってしまった。
それも公爵の位置にある。
詳しくは知らないが、公爵というのは、王族の親戚筋が多くいる地位でもあるらしい。
それを一般の奴に与えることが、どれほどのものかわかる。
いくら国家的な災難や事件を片付けたと言っても大きすぎる。
国が俺の魔法力を知って取り込もうとしたことが大きな理由だろう。自分の国に、協力な魔法が使える魔法師がいると言った方が抑止力になるからだ。
しかし逆に考えれば、戦争の発端にもなりえることだ。
そんなに有名な魔法師がいる国と事を構えたくないと思う奴もいれば、そんな奴と戦いたいと思う奴もでてくる。
俺が村の出身だとわかる事で、その噂が広まってしまうのも、良いとは言えない。
帰ろうと思えば、一瞬で帰る事ができるのに、俺は親に合うことが怖いこともある。
もう、俺も18歳だから昔のような親子の関係はないだろう?
また俺の心を蝕むアルベルトの記憶、アルベルトは小さい時に両親から魔法のせいで化け物扱いされて、家を出たと思っていたが、違ったみたいだ。
ウルフたちが両親をさらって殺していた。
でも両親から言われたことは間違いなく言われたことだから…
そんなに簡単にふっきれることではない。
それはショックの大きさによることと、俺の心が耐えきらなかったことが原因だと思う。
アルベルトの厄介な記憶のせいで俺にまで影響がでてしまっている。
勇者だって、救世主だって怖いものは怖い、怖さを知っているから、無茶はしない。
アリシアと結婚するときは、村に帰るか、俺の屋敷に招待するか?
まぁ、それは、もう少しあとでのことだ。
もしかしたら、それまでにアリシアに愛想付かされることもあるかも知れない。
とにかく未来を守ることが最優先だと思える。
俺は勇者であり、この世界を救うことができる救世主だから……
*
俺は作戦行動を思いついている。
それは前から思っていたことで、動こうとしたときに、止まったことだ。
その作戦は、ウルフを作ったレイチェルが言っていたが、ウルフを作ることをやめさせることだ。
しかしウルフをつくった現場が、この星ではない。
神の世界にいく必要がある。神界で神獣たちを作るからだ、そこにはレイチェルと生命の神がいないと神獣たちは作られない。
俺は屋敷の自分の部屋でジャネットに聞いてみた。もちろん、メンバー全員が勢ぞろいているが。
「ジャネット、ちょっと聞きたいけど」
「はい、なんでしょう」
「神獣たちが作られたのは神界だよね」
「はい、そうです」
「神界には、どうやって行くことができる?」
「えっと、神界にはですね、神の許可があればいくことができると思います」
「神の許可がいるんだね…」
ジャネットがじっと俺をみている。
「えっ、なに?」
「だからご主人様の許可があれば、全員がいくことができるんです」
「えっ、おれ?}
「そうですよ、ご主人様… ご主人さまは神ですから」
「あっ、忘れていた……」
「もう、ご主人様は、勇者であり救世主であり、神ですよ、だから以前、殺されたときに復活できたわけでしょ」とジャネットに言われてしまった。
「でも神界にいくには、どうすれば良いの?」
「初めてですからね、神界に行くのは……例えばですよ、神レイチェル様をイメージするとかでいいじゃないですか?」
「あっ、そうだね、一度、レイチェルのところに行ってしまえば、あとは簡単だね」
「じゃ、みんな今から行こうか?」
「……」
「どうしたのさ」
「あの神の領域ですから、まずはクリス様だけで行った方がいいかと」
「あっ、そういうことね」
俺は全員でいくことはあきらめて、俺だけが神の領域に転移する。神界だって、普通の転移でいいんだ…
始めていく神界だけど、どんなところだろう。
行く前にレイチェルと連絡をとってからいくことにした。
「レイチェル、聞こえますか…」
「…はい、なんでしょう? いま、すごく忙しいんですが、誰かが過去を変えてしまったので、調整に…」
「俺が今から行っていいですか?」
「はい、どうぞ」と言ってくれたので、レイチェルを頼って転移した。
始めてくる神の世界……、なにもない…
空間と同じで、なにもない…
「あっ、失礼ですね、今、何もないって思ったでしょう」
「うん、そうだね、だってなにもないよ」
「ありますよ、こうやってするとでてくるんです」
レイチェルが何かを操作すると出てくるみたい。
「それよりクリス、せっかくきたんだから手伝ってください」と言われた。
「えっ、俺、やり方、わからないよ」
「クリスは私が上げてっていったら、そのレバーを上げてもらうだけで良いですから」
「あっ、それなら……」といってレバーの前にたった。
「はい、クリス、あげて」といわれたので、レバーをあげる。
俺、いる?
と思ってしまったが、しばらく付き合うことにした。
俺は黙々とレイチェルの支持がある時にレバーを上げたり下げたりしているけど、なんの意味があるのかさっぱりわからない。
でも過去を変えた操作がレバーの上げ下げだけなんて……
「はぁ~やっと少し片付いた」とレイチェル
「……」
「もう、誰かさんのおかげで大変だったんですよ」
「レイチェル、ありがとう」
「なんですか、いまさら言っても、もう終わりましたから。それで今回は、どうしたんですか?」
「今回はレイチェルが神獣を作ったときに行ってウルフだけを作らないようにしてもらうために過去に行く」
「えっまた過去をかえるんですか?}と言われた。
「ウルフを消してしまうと、今回よりも影響が大きいんですが」
「でも、星は滅亡してしまうよ」
「う~ん、まぁしかたないですね。でも作ったウルフがいなくなると、どうしようかな?」
「なにが?」
「えっ、ウルフは世界を調停することをしていたんですよ」
「調停?」
「ええ、人間が悪いことばかりするから、それを変える役目があったんですよ」
「でも、そのウルフが世界を滅ぼすんだよ」
「そうですよね、悩みどころですね、ウルフがいなくなると……」
「ウルフは必要?」
「はい、必要ですね、神獣たちの中でも特殊な役目を持っていましたから、話し合いだけじゃ、どうしても人間って奴はダメなんですよね」
「そうなの?」
「はい、人間は自分たちこそが史上主義だから、俺様と言う感じが強いんでよ、私たちが管理していると言うことも忘れて、人を殺したり戦争を仕掛けたりしますから、そのたびごとに滅ぼさないと」
「滅ぼす必要があるの?」
「はい、滅ぼさないと大変なことをしでかします」
「でも滅ぼしたら、関係ない人まで死んでしまうんじゃ」
「それは仕方ないですよ」
「えっ?」
「そんなこと構っていられません。あのですね悪人って言うのは貴族に多いんですよ。一般の人は強盗、殺人、窃盗などをしますが、貴族は大量に殺すんですよ、戦争と言う名目で。
しかも大義名分で……
自分が、あれが欲しいとか、これも欲しいと言うことだけで侵略戦争をして人をたくさん殺すんですよ
そんな奴に限って、力で支配して自分の国を統治できていないんですよ」
「でもウルフだって心があったから狂ってしまったわけでしょ」
「まぁ、そうですかね」
「ウルフに国を亡ぼしたり、人を殺したりしたから、今のウルフができたわけじゃない」
「クリスは痛いところをつきますね」
ウルフを作ったのは、神だと思う。
「ウルフがおかしくなったのは、家族をナサニエル様に殺されたからですよ」
「えっ?」
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