第501話 1000年前の世界19

俺が索敵魔法を展開してウルフが手に持っているものをジャネットに確認してもらった。


ジャネットは、一度だけ見たことがあると言うから。


ジャネット「ウルフが手に持っていたものは、古代文明の遺産ですね」


「古代文明の遺産?」


「はい、私も見たのが一度だけですから、推測になりますが古代文明の遺産、つまりアーティファクトですね」


「アーティファクト?」


「はい、アーティファクトと言うのは古代文明の遺産の1つで大変貴重なものでめったに出るものではありません。

めったにれるものじゃないため書物に残ることもありません」


「ちょっと待った、この星に古代文明なんてあったの?」


「はい、いつの時代からか地下にある遺跡を掘ると、出土することがあるんです。私も古代文明の時代にいたわけではありませんから、よくは知らないんですけど人々が騒いでいるところにたまたま出くわすことがありまして.その人物が持っていたのがウルフが持っていたものと同じです」


「ところでアーティファクトの物ってどういうことができるの?」


「それがわかっていないんですよ、ご主人さま。アーティファクトについては何ができるのか、どこから出るのか、いつの時代からあるのかという事は全然わかっていないんです」


「つまり何もわかっていないと言う事?、でもそれをウルフが使いこなしている。じゃぁ俺たちが時代にアーティファクトはないの?」


「たぶん、どこかに埋もれてしまっているのかウルフが全て回収したのかもわかりませんね」


「えっ、それって大変なことじゃない」


「ええ、そうです、大変なことです」


「ウルフの奴が自身の能力とアーティファクトの両方を利用して何をしようとしているんだろう?」


「そうですね.今現在ウルフはブラックボックスを作っているのと、多分、横にあった黒い玉も作るつもりでしょうね」


「過去の遺産つまりアーティファクトをウルフが使っていいこなしていると言うことが問題だね」


「はい、その通りです」


「アーティファクトがいくつあるかもわからないよね」


「はい、ご主人様も教えてありません」


「どこかに参考文献とか残っていないのかな?、誰かが研究していたりとかしていないのかな?」


「多分、圧倒的に数は少ないはずですから参考文献も残っていないだろうし研究者もいないと思われます」


「う〜ん、困ったね」


「ジャネットがアーティファクト見たのはいつ頃?」


「確かじゃないんですけどアーティファクトを見たのは3000年くらい前です」


「3000年かぁ」


「いくつまりですか?」


「いければね、そしてジャネットが見た時には、アーティファクトがあったわけでしょ」


「はい、そうですが」


「でも、今は、ここを片付けないとね」


「はい、なんでも言ってください、ご主人さまのためなら」


「うん、ジャネット、頼りにしているよ」


「はい、ありがとうございます」



ウルフからアーティファクト奪うのは簡単じゃない。


でもあのアーティファクトでウルフはブラックボックスを作ってているわけだからアーティファクトでしか作れないものだということになる。


それほど特別なもので作っていたんだ。


以前ブラックボックスから魔物が大量に発生して出てきたときには、ブラックボックスを回収していたんだけど時間が経ったが消滅するみたいなんだよね。


だからブラックボックスは現存していない、


ということは研究しようもないということになる。


俺は初めて聞いた古代文明の遺産を考えている。


そんなものが、いつの時代に持ち込まれたのか?


第一、古代文明で、そんなに栄えていたのなら、どうして滅んだのか?」


古代文明のことを考えるのは、興味はあるけどあとにしておこう。


今はヒルダのことが先決だ。


でも索敵魔法でも長時間の監視は難しいから、短時間でちょこちょこ監視するしかない。


ウルフの奴も感が鋭くなっているみたいだから。


俺が、この世界に来ていることは気がついているだろうけど、俺たちが、空間にいること自体が、ウルフの索敵を困難にしている。


空間は、この世界と繋がっているから来ていることは、わかると思う。


空間は、今の時代にあるわけだけど、どこにいるのかまではわからない。


しかも結界魔法を幾重にも張っているので、安心して過ごすことができる。


そこにアリシアがやってきた。


俺は、ここでアリシアに面白いことを思いついた。


「アリシア、ちょっと索敵魔法をやってみるかい?」


「えっ、私にできるかな?」


ジャネット「やってみるとできるかもですよ」


「じゃ、やってみようかな? 何からすればいい?」


「じゃあね、索敵魔法は、監視したい対象を探すことだよね」


「うん、そうだね」


「たとえば海の波をイメージして、そこに岩とか、魚とかがあると乱れるでしょ」


「うん、それはわかる」


「そのイメージを持って、今まで練習した基礎魔法を展開して、波のように魔力を送るんだよ」


「えっ、ちょっと待って、波のように魔力を出すのね」


「そうそう、やってみて」


アリシア「波をイメージして基礎魔法を何回も出すのね」


「そうだよ、魔力は継続して同じ強さを出せればいいけど、弱くなったり、強くなったりするでしょ。それが波だね」


「たとえば、さっき、俺が言ったように波の中に岩とかあると、そこだけ変になるよね。でも波は、岩を避けながらも岩の後ろにもいくでしょ」


「クリス、難しいことさせようとするわね」とアリシア


「でも波のイメージだからね、以前、攻撃魔法を俺と野原で練習したでしょう」


「うん、わかった、やってみるね」


アリシアは基礎魔法を展開して、以前の練習を思い出してやっている


基礎魔法が波を出すような感じで広がり始める。


これも、すぐにできるのは、練習の成果だろう。


イメージさえつかめれば、あとは魔力の応用だから。


ゴブリン討伐で見せたアリシアの基礎魔法の展開と強さ、そして集中する力、俊敏さがあればできると思う。


アリシアは基礎魔法を波のように送っている。


「じゃ、俺が、徐々にアリシアに近づいていくから、それを感じてごらん」


「うん、わかった」


俺が少しアリシアから離れて、遠くからアリシアに近づいていく。


「あっ、クリスが近づくと波が乱れる」とアリシア


「そうそう、その感じ」


「俺がアリシアの5メートル前まで近づいた。


アリシアが集中のため目を瞑っていたので、目を開けて「すごい、よくわかった」と言ってきた。


「じゃあね、もう一度、やって」というとアリシアは目を閉じた。


ジャネットを手招きして、俺と10メートル離れて立たせる。


そして同時にアリシアに向かって歩き始める。


「うわっ、なに、乱れがひどいんだけど」とアリシア


「アリシアに近づいている数は?」


「2体かな?」


「そうだね、それを感じて‥‥‥」


「うん、でも、2体だと難しいね」とアリシアは目を開けた。


「ハァ〜」とため息


「索敵魔法が少しはわかった?」


「うん、ありがとう、クリスもジャネットも」


そこにヒルダがやってきた。


「ここで何をしているの?」


「うん、ちょっと魔法の練習」


「へ〜、私も魔法って使えるかな?」


「えっ、今すぐには無理だよ」


「あっ、そうか」と落ち込んでいる。


アリシアが「でも、暇な時は教えてあげようか?」


「うん、頼める? でも、私にも魔法の才能があるのかな?」


「それはやってみないとわからないよ」


「そうだね、私の世界じゃ、クリスが先生になって教えているんだから」


「えっ、私の世界?」


「あっ、間違えた、私の国よ」


ヒルダは「???」と思ったみたいだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

お読みくださりありがとうございます。


ブックマーク、ハートマーク、星マーク、評価も、感想も、ほんとうにありがとうございます。


本当に多くの方の支援には心より感謝しております。

そして、何よりも小説を書くための励みになっています。


誤字脱字がありましたらお知らせください、すぐに訂正を行っています。


また意味不明な文章があることもありますが、なにぶん素人が書いている文章です。お知らせくだされば、訂正しています。


この物語は異世界の物語です、現実世界とは違いますので、その点はご容赦ください。

あくまでもファンタジー小説です。

前世の悪い記憶を持つ小心者の主人公が成長していく物語です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る