第443話 基礎魔法2

俺たちは加盟する国に基礎魔法を教えるために空間で練習を続けている。


休憩をすることを挟みながら、みんなに訓練させながら、魔力を感じさせながらやっている。


一番、早く、覚えられて使えるようになったのは、サイラス皇帝の娘さんのミーアだった。


ミーアはブラッドフォード大公国の前の王に誘拐されていた経緯もあるから、その時に俺たちと知り合いになり、数日を過ごしている。


確か、8歳から10歳くらいでアレクと仲がいい。


ここに来ているのは、男性が7割くらいで、あとは女性も多いけど、女性が増えていくことはいいことだよね。


ミーアが練習に疲れたのか、俺の横に来た。


俺は、まだ、魔力の流れを感じさせる仕事をしている。


話をする訳ではなく、横で見物している。


そして、また、離れて、基礎魔法を練習している。


なんだか俺が今やっていることを見ていると言うよりも、俺のことをじっと見ている気がするんだけど。


自意識過剰だろうけどね。


俺の方の列が、人が多いような気がするけど、うまくいっていないのかな?


男性は、初めはメンバーの方に並ぶんだけど、一度、練習したら、俺の方に並んでいる。


あんまりおじさんは触りたくないけど、増えているけど、時々、女性がいるけど、魔法師の人もいるみたい、と言うのは、格好が、魔法師ですって言う感じに見えるから。


魔法師の人に多いのは、魔力の澱みが多い。


あとはイメージすることができていない。


今日は軍の上層部の人たちだから、俺よりも高齢の人ばかり。


その人たちが、俺の前に来ると、キラキラした目で、『握手してください』と言うことから始まる。


他のメンバーの列では、もう数人しか並んでいないけど、俺の列を見渡してみると、列がうねりながら、多くの人が並んでいる。


はぁ、終わるのかな、 わからなければ並び直していいと言わなければよかった。


シャーロットとロゼッタが、俺の横に立ってみている。もう終わったみたいだ。


数分するとアリシアとパトリシアも来た。


さらにイザベラとエイミーが来て、全員が終わったみたいで、俺たちのところにきた、コリンに並んでいる人もいなくなった。


今は、練習している人と、俺に並んでいる人だけになってしまった。


アリシアが横で、俺がしているのをみていて「やっぱりクリスが一番、教えるの、上手だね」と言うと、全員がウンウンと頷いている。


と言うのも、数回、並んだ人が、基礎魔法を使い出したからだ。


ジャネットが「ご主人さまのやり方は、すごく効率的です。体の中を検索魔法でサーチして澱みを見つけることに長けていますから」


そこにミーアがやってきた。


「あっ、ミーア」とアレクが駆け寄る。


「久しぶりだね」とアレク


「うん、本当に久しぶり、あれから全然、会いに来てくれないんだもん」


「ごめん、ごめん、最近、忙しくて、私がいないとご主人さま、危なかっしいから」とアレク


「そうだね、クリス様、大変そうだね」と笑い合っている。


「あっ、お父様のところに一緒にいきましょ」と手を繋いで走っていった。


しばらくして戻ってきたアレクは両手に抱え切れないほどのフルーツを持っていた。


「えへへっ、いいでしょ、もらったんだ」と顔が綻んでいる。


「よかったね、アレク」とアリシア


「うん、あとでみんなで食べようね」


アレクは 俺たち以外に友達がいるのがうれしいみたい。


みんなで後で食べようねと言ったアレクサが、先につまみ食いしている。


そこにアデルとエイミーとアイリスが加わった。4人でブドウ、バナナ、リンゴなどを食べている。


美味しそうだな‥‥‥でも列には多くの人が並んでいる。


終わりそうもないことを見越して、全員がアレクが持ってきたフルーツを食べに行った。


でも、俺に並んだ人を待たせるわけにはいかないから、自分の代わりはいない。


俺も休憩を取りたいけど、今は我慢する。


1時間が経過する。 そして2時間、3時間と経過するけど、終わらない‥‥‥


俺が終わらないので、アリシアは、リンゴを持って来てくれた。


そのリンゴを早く食べて、また、仕事に戻っているが、やっと人数が減ってきた。


でもリンゴだけじゃ、全然、足りていない。


5時間したら、やっと終わった。


「え〜、皆さん、やっと終わったので、今日のことを無にしないで、練習さえすればいいわけじゃなく、感じようとすること、そしてイメージすることが大切です。じゃ、今日は、終わります」と俺が挨拶すると、


すごい拍手が起きた‥‥‥


王様たちがやってきて、「本当にありがとうございます、クリス様」とオーリス王


「今回のことで、私にも魔法が使えるとわかりました」とオーリス王国、アルバート王太子


「これで国の軍部が強くなるな」とサイラス皇帝


「本当に感謝しております」とリッチェスト国の王様


「いいえ、これで魔族にも対抗でできればと思いますが、そう簡単にはいかないでしょね」と俺


「ええ、魔族は人族よりも強いですからね。しかも巧妙で狡猾です」とブラッドフォード大公国のハワード


ハワードと会うのも、久しぶりだけど、しっかり国王をやっているみたい。


「じゃ、今日のところは、ここまでで‥‥‥」と俺が言うと、王様たちが頷く、俺が空間の出口を開けると、もう真っ暗だった。


今日は朝早くから集まっていたけど、もう夜中になっている。


それどれの国に空間の出口を作り、一斉に歩き出して出ていくけど、それぞれにお礼を言いながら出ていく。


「クリス様、ありがとうございます」とか、

「クリス様、この御恩は一生の宝です」とか、

「勇者様と会えたこと、感謝しております」とか、

「今度、遊びましょうね」とミーア


多くの人から感謝されながら、この空間は静かになっていく。


「‥‥‥」


全員が黙っている。


「‥‥‥、さぁ、帰ろうか?」


「うん」

「ええ」

「了解」と言う返事と共に、俺たちは空間から出てきた。


出てきた先はブラッドフォード大公国の山荘にきた。


「さぁ、温泉に入って寝ようか?」


「そうだね」とアリシア


あっ、俺たちは、食事していない‥‥‥


でも、今日は眠りたい。


俺は部屋で 用意して温泉に行くつもりだったけど、ベッドに横になったらすぐに眠ってしまった。


何回か扉をノックする音があったみたいだけど、俺は、そのまま寝てしまった。


寝ると頭の中では声がして「運命の子クリスよ、急ぎなさい‥‥‥」と言う声だった。


その声に目を覚ましても、部屋には誰もいない。


でも、今の声は以前、聞いたことがある声だった。


そう、その声は生命の神クリスティアナの声だ。


俺が時計をみると朝の5時を回ったところだ。


もう少し眠りたい気持ちはあったけど、俺は昨日は入ることができなかった温泉に行くことにした。


まだ太陽が上がっていないから、あたりは薄暗い。


俺は、あかりもつけずに洋服を脱いで、露天風呂に入る。


まだ満点の星あかりだな、綺麗だ。と空を見上げらながら考える。


生命の神クリスティアナの声は、俺に急げって言っていた。


何を急ぐのかも言わずに、ただ、急げと、どう言うことだろう?


何を急げばいいのかも告げずに神クリスティアナは連絡を切った。



急がなければ何か大変なことが起きてしまうのか?


何をすればいいのかもわからない。


もう、本当に困ったものだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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この物語は異世界の物語です、空想の物語ですので混同されることがないようにしてください。


🍎 基本的に週末に連続で投稿していきますので、よろしくお願いします。

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