第387話 隠密行動

俺たちはオズワルド王国のお城の中を探るため、お城の中の借りている部屋に瞬間転移してきた。


情報収集は時間がかかる。


もう、この部屋には誰もいない。


全員が部屋から出て、透明になって情報収集に移っているみたい。


俺も透明化の魔法を発動して扉を開けて、部屋から出て行くけど、扉を閉めることを忘れない。


今は廊下には誰もいない。


こう言うことで、魔法の隠密性が実証されるから、練習にもなる。


特に隠密行動に特性があるのがアデルだ。


幼年組のエイミーとアイリスも頑張ってくれるといいな。


まず、一番、近くにある調理場に行ってみた。王族の食べるものを調理するところだけど、ここの料理人は美味しいものを食べさせてくれるから。


まず、大丈夫だと思う。


荷物を持った料理人の後ろについて中に入る。


そこは、さすが、王族や他にも上級職の料理を作る現場だけあって、フロアが大きいし、多くの人がいる。


王族は、専用の部屋で料理を食べるけど、他の上級職の人は、違う部屋で食事をとる。


王族が食べる料理も上級職の人が食べる料理も一緒に作ったほうが効率はいいけど味見にもなるから。


逆に別で作った方が、味見人がいないと危険なこともある。


特に今は、もしかしたら毒を守ることもあり得る時なんだ。


事件が起きるときには立て続けに起きたら怪しまれることもあるけど、ちょっと時間を置いていったほうが怪しまれにくいと言う考えもあるから。


俺が調理場に特着すると、わかっていたけど、アデルがいた。


アデルを見た瞬間に、ヨダレが出ているぞ、と思った。


もちろん、ヨダレを流しても、透明になって端に立っているから、他の人には気が付かれることはないけど。


アデルは調理人の動きや運ばれてくる材料などをチェックしているみたいだけど、俺が入ってきたのもわかったみたいだ。


俺の方を見て、手を上げたからだけど。


ここはアデルに任せることにしたので、俺は、アデルに手を振って、この調理場から出て行くことにした。


検索魔法でサーチしてみると、ジャネットとロゼッタとパトリシアは下の階にいるみたい。


エイミーとアイリスとアレクは上層階を担当したみたいだ。


じゃ、俺は、どこから行こうかな?


そうだな、ランドルフ周辺を探ることにした。


さすがにランドルフがいる執務室にはいないと思うので、その周辺の騎士や兵士や文官のいる部屋を見てみよう。


扉の開閉に合わせて出入りすることにしている。


まずは、ランドルフの部屋の近くにある文官が詰める部屋から見て回る。


俺は出入りする文官の跡をついて部屋の中に入る。


出入りが多くあるので、扉は閉まっていない。


部屋の中には、10人以上の文官が仕事をしている。


俺は部屋の端っこに移動して、監視することにした。


しばらく見ていたけど、普通に忙しそうに仕事をしているだけだけど、怪しい動きをする人はいない。


まぁ、こんなところじゃ、いる意味がないよな、と思って、違う部屋に移動する。


そういえばランドルフのお母さんは、王の側室だと聞いたけど、どこにいるんだろう?


もう王がいないわけだから、挨拶くらいしてくれても良いと思うけど、何かの問題があるのか?


出てこれないような問題になっているのか?


俺は、それを確認することにした。


でも、どこにいるんだろう?」


このフロアは住んでいるのは王族だけだと思うけどな、でも、違う建物なのか?


俺は検索魔法を使ってみることにしてサーチしてみた。


サーチ対象は女性で年齢は40代前後だろうと目星をつけた。


と言うのは侍女や女官がいるからだけど、王妃だったら、あまり活発に動いていないだろうと思うし、


つまり侍女、女官などではない女性だ。


サーチしていくと、この人は違う、この人も違う、という感じで一人、一人見ていく、まぁ、ランドルフに雰囲気が似ている人を探す。


ん、いないな。 あれっ、どうしてだ?


ランドルフは以前、母親が死んだとは言わなかったぞ。


もしかしてお城に住んでいない?


何回も検索で探してみたけど、いない‥‥‥おかしいな?


まぁ、いいや、俺は、他を探すことにした。


透明になって通路を歩きながら、念話で、他のメンバーと連絡していく。


「みんな異常はない?」


「はい、大丈夫です」とジャネット

「もちろん、何もないのじゃ」とロゼッタ

「異常なしです」とパトリシア

「うん、異常なし、美味しそうなもの以外は‥‥‥」とアデル

「はい、異常はありません」とエイミー

「こちらも異常なし、情報もなし」とアリシア

「こちらも同じ」とアレク


みんなも異常はないということだ。


ん、でも、なんだろう? この違和感。


俺の魔法特性でもある、未来予知みたいな違和感を感じる。


何かが変だ。


俺は念話で、みんな気をつけて」と伝えると


「ご主人さま様も感じますか?」とジャネットが言ってきた。


ジャネットは俺よりも未来予知に長けている。


俺も、もっと未来予知を練習しなければ‥‥‥


あっ、でも、今までは、そう思っていたんだよな、と気を取り直して、未来予知とイメージしながら魔法を展開する。


今、俺がいるのは、廊下のベランダの扉のところに立っている。


ここには人がいないので、俺はたち止まって魔法を展開させる。


そうすると目の前には、俺の探している情報が、次々に出て入れ替わる。


俺はお城で起きることに限定したけど、どうも未来ではなく、過去に問題があるみたいだ。


未来予知はやめて、顔を振り返ることにした。


過去を振り返ることをすると俺たちがお城に、その時に王様に挨拶をしたシーンが出てきた。


もちろん、これは魔物出現での出来こと。


それを横に置いて、次の過去のシーンを見て行く。


ページを捲るように次、次と膨大な情報を確認していく。


特に、どうしてかわからないけど、気にしたのはランドルフの行動だった。


俺が、この国の前王様を魔物出現の責任を取らして牢屋に入れる。


ランドルフ以外に第一王子、第二王子がいたけど、第一王子は失脚した。


あとは第二王子だけが残っているけど、あまり権力はなかったと思うけど、


もしかして第二王子か、第二王子の側近か?


俺は過去に意識を移しながら、第二王子と、その側近の行動を追う。


第二王子と、一番、近い側近が怪しいと思う。


誰かが率先して企んでいないと、こんな事は起きないと思うし、それなりの実力者が何かを企んでいる証拠だと思っている。


それを神獣たちにも伝えておく。


「みんな、聞いて、第二王子の側近を特に念入りに調べてくれる?」


はい、了解しました、でも、誰が第二王子なんです?」


「第二王子の名前はキーランだ」


「はい、キーランですね、了解しました」


「聞き耳を立てるときに、キーランを入れて聞いててくれる?」


「は〜い」と返事がした。


多分だけど、前の宰相か、第一王子、第二王子くらいしか障害になりそうな人がいないから。


ウルフ来襲って言う大事な事件があった割には、まとまりきらないのは多分そういう奴らが暗躍しているせいだと思うから。


普通ならまとまっていなければいけないのが、まとまりきらなかったのは何かがあると思える。


アレクが「ご主人さま、私がいるところで、キーランと言う言葉で会話をしているんだけど、どうします?」


「うん、お願い」というとアレクを通して会話を聞くことができた。



扉を警護する兵士「王子、フレーゲル伯爵が面会を求めていますが、どうしましょう?」


「あっ、大丈夫だ、入ってもらえ」


「王子、少し話があるのですが、よろしいでしょうか?」


「なんだフレーゲル伯爵」


「キーラン王子、あなたが王に即位するべきです。あんな、どこの馬の骨とも知れない奴が、この国の王になるなんて、とんでもないことです」


「しかしな、フレーゲル伯爵、ランドルフには、あの勇者がついているんだぞ」


「あのクリスとか言う勇者ですね。

私の手のものに任せてください。

なぁに、ちょっと脅せば大丈夫ですから。

私の手の者に専門の奴らがいますので、王子は、何もしなくて結構ですから」


「うむ、わかった」


「本当に、あの勇者は目障りですよね、王になりましたら、私をよろしくお願いします」


「もちろんだ、フレーゲル伯爵、そなたは私に忠誠を誓ってくれるからな、私が王になった時には、宰相の地位を約束しよう」


と言う話をして、フレーゲル伯爵はキーラン王子の部屋を出て行った。


フレーゲル伯爵は、廊下を歩きながら、ブツブツ何か、言っている。


それを聞いてみると、『くそっ、なんで俺がキーラン王子のご機嫌を取らなきゃならんのだ。

今に見ていろよ、俺の天下にしてやる。

そのためには、キーラン王子を即位させなきゃならん」


俺は、この話を魔法で録画している、画像と音声を。


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お読みくださりありがとうございます。


ブックマーク、ハートマーク、星マーク、評価も、感想も、ほんとうにありがとうございます。


本当に多くの方の支援には心より感謝しております。

そして、何よりも小説を書くための励みになっています。


誤字脱字がありましたらお知らせください、すぐに訂正を行っています。


また意味不明な文章があることもありますが、なにぶん素人が書いている文章です。お知らせくだされば、訂正しています。


この物語は異世界の物語です、現実世界とは違いますので、その点はご容赦ください。

あくまでもファンタジー小説です。

前世の悪い記憶を持つ小心者の主人公が成長していく物語です。

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