第350話 魔物大量出現の黒幕
俺は、今はライオネル公国から、もらった別荘にいる、そこでメンバーと食事を楽しんでいたけど、動きがあったので、集中モードに入る。
そこで集中モードに入りながら、レイチェルに念話で話しかけてみる。
「レイチェル、見ていますか?」
返事はすぐにきた。
「はい、もちろんです、私はクリスに感覚を研ぎ澄ませていましたから、あなたがサーチを使った時に、私にもわかるようにしておきましたから」
「オズワルド王が、話している人に見覚えは?」
「いいえ、私もありません」
「そうですか、何か情報があると思ったんですが」
鏡の奴の顔は俺も、レイチェルも知らない。
奴の格好は、どうだろうと目線を下に向けると、なんだか足元が、揺らいでいる。
顔や上半身は、ハッキリしているのに、足元だけ、揺らいでいる???
ホログラフか?
そういえば、俺も変身できるか、今度やってみようと思うほど、鏡の奴は、30代に見えるように、偽っているようにしか思えない。
油断しているのか、見られているとも思っていないのか、最近の俺の検索魔法は、高度がかなり上昇しているから。
鏡の奴も、鏡の中からでは確認できないと思う。
レイチェルはサーチを使うことはなく、俺が見たままを見ている。つまり俺の目で見ているのを、見ているだけ。
だから、鏡に映っている奴を見ているのは、俺だけ。
俺も検索魔法のサーチ能力を最大限まで上げている。
俺が注目して見ているのは、鏡の中の奴の足元。
顔ばかり見ても、知らない奴だから、もう顔は記憶したけど、粗を探す方がいいと思うから、足元を注目した。
しかし、足元だけじゃなく顔や手や体も見ているけど。
「レイチェル、足元を見てもらえますか?」
「はい、私も気がついていました」
「俺は、あの足ともが気になるんですけど」
「そうですね、やはり誰かのなりすましでしょうか?」
そこで鏡の中の奴が話し始める
「王よ、私には、重要なこと以外は、この鏡を使うなと言って、あるのを忘れたのか?」
「いいえ、ご主人さま、緊急事態なのです、この国に、一度、滅ぼした、魔物が、また、出てきたんです」
「それは、お前が失敗したからだろう?」
「はい、申し訳ありません」
「まぁ、今回は、許そう」
「ありがとう、ございます、ご主人さま
では魔物は消してくだされのですね」
「それは、お前たちでやって良いぞ」
「ええっ、困ります、ご主人さま」
「お前たちに任せた魔物だ、どう扱おうと知らん」と言って鏡から消えた。
「あーっ、どうしたらいいんだ?」
「そうだ、急いで兵士たちを派遣する用意をしないと」
王は、慌てて、部屋から出ていった。
しばらく俺は、部屋の様子を伺っていたけど、もう鏡には映ることはなかった。
俺は、この部屋にマーカーをつけて検索魔法を解除した。
俺が意識を戻すと、そこにはレイチェルが、椅子に座って食べていた。
この屋敷にも、強力な結界は張っているけど、俺は、レイチェルにも許可して置いたので、入ることができたみたいだけど。
レイチェルが、あっ、これも美味しいわね、とか言って食べている。
一人増えたので、慌てて、用意しているけど‥‥‥
俺はレイチェルを睨んで、「レイチェル、今、見たことですけど」
レイチェルは、食べるのをやめて、急いでコーヒーを飲んで、アツッて言ったと、「はい、変装していたので、誰なのか、わかりませんでした」
俺は、もう一度、全員に見た光景を話すことにした。
オズワルド王国に魔物が出現して、王都を襲ってること、そして、魔物が出現する瘴気と箱を作ったのが、オズワルド王だということ、そして奥の部屋で見たことを話した。
アリシアが「うーん、それじゃ、わからないよね」
「うん、そうなんだ」
ソフィアが「でも、姿かたちを変えていたという点では、似ているよね」
「そうなんだよね」
イザベラが「でも鏡を使って、姿を現したりするなんて、厄介なことだね」
「うん、そうなんだ、俺の検索魔法でも引っかからないのは、そこにいないからなんだ」
話をしている間、レイチェルは、モグモグ食べている。
シャーロットが「じゃ、どこにいるんだろう?」
「それは、わからない」
モグモグ、モグモグ
セラフィーナ「でも、もしかして近くにいるということは?」
「それはないと思いたい、レイチェル、何かわかりますか?」
「ウグッ」と言って、急いでコーヒーを飲んだ。
「もう、急に話しかけないでくださいよ、喉つまらせるじゃないですか」
「何か、わかりますか?」
「あー、もう、そうですね、今のところ、私にも情報がないんですよ」
レイチェルにも、わからないとなると、行き詰まりだな
どうするか?
今の状況では、オズワルドの国の魔物が、その国の兵士でも討伐できるようであれば問題はないけど、オズワルド王国の王都を確認してみると、あまり芳しくない。
魔物は、オズワルドだけであれば、俺も手を出すことはないと思う。
自国で、自滅することも王にとっては、いいことだけど、それに国民が巻き込まれるのは、良しとしない。
けど、俺たちは、一度、オズワルド王に会っているから、勝手に行動はできない。
軍じゃないけど、大目に見てくれることもあるけど、あの王は後で難癖つけることくらい簡単に、やると思うから。
話が通じない人は、非常に厄介な存在でしかない。
今は魔物を討伐に出ている兵士と建物くらいで被害は済んでいるけど。
どうするか? 早急に答えを出す必要がある。
ジャネットが「いきますか?」とだけ言ってきた。
俺が顔を上げると、レイチェル以外の全員が見ている。
レイチェルは、まだ、色々な皿に手を伸ばしている。
全員が俺の方を見ている。
「後悔しなたくないから、やりますか」と俺が言うと全員が頷いた。
うーん、どう動くか? むやみやたらと動いても‥‥‥
俺は、ジャネットに戦闘の指揮を任せることにした。
「ご主人さまは、どうしますか?」
「俺は、城に行ってオズワルド王に会ってみる」と答えた。
なんだか、一番、厄介なことになりそうだけど、まずは、王に会ってみることにした。
「じゃ、今回も念話はつなげておくから、危険なことはしないように」
「うん」
「はい」
「わかった」という感じで、作戦行動は、ジャネットに任せた。
俺は別行動するので、「じゃ、先にいくね」と言って瞬間転移した。
瞬間転移した場所は、鏡の部屋だ。
鏡を見ても、なんの変哲もない鏡にしか見えない。
裏を回っても、普通の鏡だけど、鏡に姿を表すなんてできるのか、それとも何かの魔法がかけられている鏡なのか?
俺の検索魔法で、それを調べることができるか確認してみると鏡には何も魔法をかけられた形跡は無い。
と言う事は能力の1つの可能性もある。
俺もやればできるかもわからないが、 自分の姿を鏡から出す必要もないのでやめた。
多分、自分の姿を鏡に写した奴は神秘性というか操るために、そうしたんじゃないかと思う。
鏡を確認してみても何も証拠になるものは無いから、この部屋から王の状況を伺うことにした。
しかし鏡のやつが、いつ現れるか分からないので、ここではなく、もう一つ横の部屋に移動する。
映った隣の部屋は、きれいに掃除がされている部屋で、パーティー用の部屋だろうと思う。
大きな部屋で、景色も良い。
俺は王都が見えるベランダに出てきて、景色を見ながら、王の様子を伺う。
これで男なんか検索しなくて、最高な景色とコーヒーでもあれば最高だけど。
本当に、ここの王様も厄介だ。
でも、今は、王都は慌ただしい。
最終手段を使うか?
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