第269話 神獣 3

残りの神獣を呼び出すために10人の女の子を引き連れてメンバー全員で火山の近くにきている。


今回、火山にきているのは、残りの神獣たちを呼び出して仲間に入れるためだ。


俺が、以前から感じていた、ある懸念が、もしかしたら、関係があるかもしれないんだ。


俺は、焦りみたいなことを感じているのは、村を出る時からだ。


冒険者になために、なんだか嫌な懸念を感じていたが、それがオーリス王国に帝国が攻め込んできたことでも、なかったし、誘拐犯の事件が、終わっても終わることがなかった。


そして、ライオネル公国の件でもなかったし、リッチェスト国の件でもなかったのは、俺の懸念が収まることがなかったからだ。


しかし、何がか、起きる予感というか、懸念はなくなることはないまま、今の現実がある。


それが、今回の二人の神獣の召喚だ。


別に女の子を集めたくて召喚している訳ではない。


決して‥‥‥



今回、火山にきたのは、二人の神獣たちを呼び出すためだ。


そして呼び出す神獣はグリフォンとケロベロス。


名前から想像すると、すごく強そうな感じなんだけど、グリフォンもケロベロスも、アレクから言わせると強くはないらしい。


グリフォンって、確か四つ足歩行で獅子の胴体に翼がある神獣だったと思う。顔はワシだと古書に書いてあった。


書いてあると言うことは、空想の物語が本物だと言われてきたという可能性もあるけど、本当にいたのか、現実にいたのか、気になることだけど、呼び出せば確かめることができる。


ケロベロスだって同じだと思うけど、犬の神獣で3つの頭と蛇の尻尾が生えているそうだ。


本当なのかな? 3つも頭がある人が出てきてほしくはないけどな。


多分、ケロベロスもグリフォンも、人型に慣れると思うけど、頭が3つもある人が出てきたら大変だ。




しかし神獣たちを呼び出すためにも、魔法の力が伴っていなければ呼び出すこともできないし、呼び出しても答える事は無いとロゼッタが言っている。


そしてパトリシアが、指輪のステータスで確認して、人間で能力が無限大と言う人間はいないと言われた。


俺が特別だと思うとロゼッタからも言われた。



どうも、俺の魔法の能力からすると、魔法を研究して開発すれば、どんな魔法も使えるようになる可能性があるらしいけど。


そういえば、魔法の概念さえ、理解できれば、俺は初めて使う魔法も使ってきた。


概念と言うのは、その魔法が何なのか?と言うこと。


魔法が多少、使えるからといって、魔法の言葉を言えば、誰だって使えるかというとそうではない。


まずは、魔力を持って生まれてくること。多くの人は魔力を持って生まれることはない。


その生まれつき持っている魔法力が無限大と言う意味は、まだまだ向上の余地があると言うことだと思う。


さぁ、神獣の二人を呼び出してみるか。


「それで、どうすればいいの?」と神獣たちに聞いてみる。


「もっと火口の近くに行こう、ご主人様」と言ってアレクが、俺の手を引っ張っていく。


「あっ、わたしも」と言って、パトリシアが反対の手を引っ張っていく」


ロゼッタは、俺の背中を押してくれている。


アデルはついてきている。


俺たち4人は、火口に近づいていく。


他のメンバーは熱いので下の方で待っている。


アリシアが「いってらっしゃい」と手を振ってくれる。


火口に近づいていくと、本当に熱いどころではなくなる。


手で熱さが防げることはなけど、手で顔を覆うようにしないと、立っていられない。


神獣たち4人は平然としているけど、熱くないのかな?



俺とアレクとロゼッタとパトリシアとアデルは、マグマが見える火口の近くに来た。


どうして火山なのかわからないけど、ここまでマグマに近づいてくると、すごく熱い。


俺と神獣たち4人は、俺だけ熱さを我慢しながら基礎魔法を展開して魔力を集めていく。


5人の魔力が集まってきて、体から光が出てきて、強くなってきた。


「いでよ、私たちの魔力に呼応する神獣よ」と今まで言わなかったことを俺以外の4人は言い出した。


それだけ2匹の神獣は特別なのかもわからない。


どこに現れるのかと思ったら、マグマが、グツグツ言い出した。


しかし、こういう方法を知らなければ、呼び出すことはできないと思うから、神獣4人のパワーも必要なのかもわからない。


先ほどよりもマグマの状態が、ひどくなってきている。


さらにマグマがグツグツし出して熱くなる度合いが強くなってきた。


熱さに我慢をしていると、マグマの真ん中の辺が二つ、ぽっかり穴が開いたようになった。


そこに徐々に、かげろうのようなものが揺らいで実体化していく。


なんだか、すごく、まがまがしい黒い物体が2つ出てきた。


こんな神獣が出てきて、大丈夫なのか?


徐々に2つの物体が実体化してきた。


実体化した2つは、漆黒の黒と言う感じをしている。


現れた黒い影は徐々に実体化してきた。


うわっ、なんか変な奴が出てきた。今でも、やめたいけど‥‥‥


ケロベロスと思われる犬は、本当に頭が3つある。


そしてグリフォンも顔が鷲、手も鷲、下半身はライオンだ。


もう、引き返すことはできない。


実体化が完了したみたいで、こちらの方を見ている。俺は気味が悪くて、目を合わせたくない。


グリフォンとケロベロスの2体がマグマから空中に浮かんで近づいてきた。


そして、神獣たちに、話しかけてきた。


「なんだ、呼び出したのは、お姉ちゃんたちか」


エェーーーーーッ、気味悪い神獣たちが、お姉ちゃん????


「久しぶり」とアレク


「本当に、久しぶりだね」とグリフォンが言った


そして周りを見渡して、俺の顔で瞳を止めて、俺は顔を背けそうになったけど、「あなたがご主人様?」と言ってきたので、


「そうだよ」と恐々、言ってみた。


こんな怖い神獣、いらんけど‥‥‥


「じゃぁ、早速で悪いけど名前をつけてよ」


「名前をつける前に、人の型になってくれない?」と恐々言うと


そうすると2体は人型に変形した。


変形した2人は、7歳くらいの女の子に変形した。


なんだ、この二人????? 明らかにイメージが違う女の子になってしまった。先ほどの気味悪さは全然なくなって、可愛らしい女の子になってしまった。


それも全裸!!


神獣たちは初めは全裸の場合が多いので、俺は、どんな神獣が現れるかわからなかったから、バスタオルを用意していた。


もう少し年上だったら、よく見ておくんだけど、犯罪者になるから、さっとタオルを渡した。


「これで体を巻いて」と俺が言うと、アレクとロゼッタがタオルを受け取って巻いてあげた。


タオルを巻いてもらった2人は、どうしてタオルを巻くのかわからなかったみたいにキョトンとしていた。


アレクが理由を説明していた。


「変態が、どこにでもいるから、裸はダメなの」


「変態?」


「それ誰のこと」


「この人」と言ってアレクが俺を指した。


「へ〜、この人が変態かぁ〜」


俺は怒りながら「アレクー」


「うわっ、ご主人様、ごめんなさい」


「えっ、違うの?」


「もちろんです」


「そっか〜」と何を納得したのか、わからないけど。


「この変態さんが、ご主人様?」とケロベロス


「うん、そうだよ」とアレク


「アレクー」


「あっ、これ以上、怒らせると、まずいから」


「こちらが、私たちのご主人様だよ」


「‥‥‥」


何も言わないじゃないか!!  まったくアレクが言うもんだから


「俺が君たちの仲間のクリスだよ」


「‥‥はい、よろしくお願いします」


「あのー、それで名前をつけて欲しいんですけど」


何に、しようかな?



でも2人の神獣は人の型になったので女の子が増えた形になった。


この2人が、どういう性格をしているかわからないけど、まぁ、いいかと考えた。

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