第231話 再びライオネル公国へ

俺が疑問符を浮かべていると言い訳のように「これも、お父様からの言いつけなんです」とシャーロット王女が言った。


「セラフィーナ様は、これからこの国の王様になる人ですから、付き合いは大切にしなきゃ」とシャーロット


セラフィーナが「シャーロット、様は要らないわよ」


シャーロットは、「じゃぁ、セラフィーナ」と様なしで言った。


じゃあ、しばらくは2人で話があるだろうから、俺たちは街にでも行ってこようか、とメンバーの顔を見ながら告げた。


せっかく仲が良い2人が、しばらくぶりに会えたから、2人だけにしてあげようかと思ったら、俺の思いを無視して「じゃぁ、私たちも行きましょうよ」とセラフィーナ


「えぇっ、いいんですか?」と嬉しそうなシャーロット


「公爵様がいらっしゃるんだもの、公爵様以上に、いろいろなことに、能力がある人は、いないわ」と、こちらをチラッと見ながらセラフィーナ


え〜っ王女、2人の護衛か


アリシアが、俺の肩にポンと諦めてと手をおいた。


メンバーも以前の事件でセラフィーナと仲良くなっていたのでしょうがない。


仕方ないので、諦め気味に「じゃあ行きましょうか?」と俺が言うと、セラフィーナが自分の格好を見て、ちょっと待ってください、と言ってきた。


なんだろうなと思っていると、急いで扉を出て行き、数分して戻ってきた。


洋服を着替えていた。


俺はちょっと思ってしまった、胸の谷間が見えるドレスでもいいのに、もう見えなくなってしまった、悲しい


俺たちはセラフィーナの部屋から、魔法で見えないようにして飛行魔法で路地に飛んできた。


路地に誰もいないことを確認して解除した。


そしてショッピングに出発。


気が重たい


なんせ女の子は9人だよ。


最近は神獣たちも、ヒト型をずっと維持しているので、はじめの頃は自分で洋服を魔法で作っていたのに、デザインがいいとか、かわいいのがあるとかで、最近は下着でも洋服でも人間が着るのを着ている。


まぁ、ドレスなんかだったら高額だけど、普通の洋服や下着なんかは、そこまで高くないから。


ドレスは、ゼロの桁が違う。


時々はセルフィーナも、街に来る事はあったそうだが、護衛がついているので、そんなにゆっくりできなかったそうだ。


しかし今回は女性ばかりだから、キャッキャ言いながら歩いている。


なんだか楽しそうだ。


そして一軒の女性専用ショップに入っていった。


僕も、そのショップに入ったが、入った瞬間に目がくらんだ。


目が、くらんだ理由は白い下着


一面に白だけの下着


レースを使ったものや、リボンがついたものやヒモがついたものがいろいろある。


この店の半分は、白い下着だけ。


色がついていない、憧れの白い下着!


あまりにも珍しくて、ジーと僕が見ているとコホンと咳払いされた。咳払いしたのはアリシア。


「あ〜ごめん、ごめん、あまりにも凄すぎて」


と言って目を逸して椅子に腰かけて人の動きを察知しながら外を見ている。


女性9人が買い物しているので、僕たち以外の客は店にはいないが、全員が1つじゃなく、いくつも買っているので、買うもののカウンターには、複数の山ができている。

一人が一つの山を形成しているので。


そして下着の方が終わったら、洋服の方を見たり靴下を見たりしている。


そして俺は感知魔法を消すことなく店の人の動きはのサーチは維持しながら、ちょっと出てくると言って、今いた別の店に歩いてきた。


この店は、ジュエリーショップだ。


俺は全員に似合う、イヤリングを買うことにした。


誰が、どの色と形が合うのかを想像しながら選んで。


2人の王女の分も買ったので値段が、かなり高額になった。


だって王女に紛い物や安いものは、贈り物としては、よくないし。


そして俺は買い物が終わったので、もとの店に戻ったら、まだ洋服を選んでいた。試着するのが時間がかかるみたいだ。


僕は先ほど座っていた椅子に座って外を見ている。


全員が買い終わったので、袋に入れてもらっているときに料金を払った。


結構な出費になってしまった。


店から出てくると、全員から


   「アルベルト、ありがとう」


   「クリス、ありがとう」


   「公爵様、ありがとうございます」


と一斉にお礼を言われた。


全員がうれしそうだ。


そして少しだけ買い食いをしながら、お城に戻ってきた。


お城に戻ってきたので異空間収納から、先ほど買ったイヤリングを出した。


そして、1人ずつに差し出した。


みんなびっくりした感じだったけど、キャーキャーワイワイ言いながら喜んでくれた。



なんだか、ライオネル公国までショッピングしに来たみたいだ。


喜んでくれていたみたいだから、まぁいいか

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