第179話 戦争の予感 4


俺たちは飛行魔法で飛びながら、先行しているアレクとロゼッタについていく。


高速で飛んでいるから1時間くらいで、かなりの距離を飛ぶことができた。


俺たちは今、透明化魔法でも見えないようになっているが、真下には魔族の大群がいる。

どれぐらいいるか、わからない大群で、ずっと向こうまで続いているみたいだ。


10万くらい、いや20万かな、実数がわからないくらい多い。

これだけ大勢の大群が、攻め込んできたら、多分準備ができてないところは侵略が始まってしまう。


たぶん、この近くの村から虐殺が始まるだろう。

なぜ、これほどの大群が動かすことができるのか?


というのもこれだけの大群を動かすためには、食料も水、弾薬、武器も必要だからだ。

そして、それを馬車に積み込んでいるわけだから、馬車と馬も必要だ。


戦争するためにはお金も必要だし、物資の調達もしなければいけない。

なぜ急に動き始めたのか?


何の目的で進行を始めてきているのか?

その理由を探らなければいけない!


このまま進行していくと、ブラッドフォード大公国に気づかれるだろう。

そうすると大公国も準備を整えて、進撃を始め出すと厄介だ。 


何とか大公国が動き出す前に、なんとかしなければ戦争になってしまう恐れがある。


戦争と言うのは、こじつけで文句を言うので、国境を少しでも超えたら戦争を仕掛けてきたと言う理由になるからだ。


だから国境を超えないようにしなければいけないし、又は進軍と言うのも戦争を仕掛けてきたと言う理由になってしまう。


ブラッドフォードと大公国と言うのは、独裁的な王様が統治している国だから、戦争になりやすいと言う理由もある。


独裁的な奴ほど、攻撃的な奴が多いから。


そうじゃないことを願うが!


あってもいない後のことを考えたって意味は無いから、とにかく進軍してきている魔族をどうにかしなければ。


飛行魔法で滞空しながら、魔族を眺めている。


ドラゴンのロゼッタは、「どうする、攻め込むか?」と怖いことを言ってくる。


アレクは、「2人だけでもいいかもしれないから、それもいいかもねー」と言っている。


この場合の2人と言うのはロゼッタとアレクだろう。


10メートルを超える大きなトラと、20メートル超えるドラゴンが暴れまわっているシーンを思い描くと震えてくる。


「暴れまわって人を怪我させたり、殺したりするのはだめだよ」


進軍している時でも、透明化になっているので少し近づいたが、全体の列を見渡しながら、中心人物の位置を確認している。


中心人物は馬車の中か、守られているはずだから数人の騎士がいるはずだ。


多分、中心部だと思うから、少し上空から移動しながら確認している。


そうすると、高級そうな馬車が数台並んでいる列がある。


その周辺を護衛が馬に乗って守っている。


戦争に行くのに、王妃や王妃を連れてくるとは思えないので、たぶん指揮官だろうと思う。


その指揮官が、将軍なのか王様なのか。


そして主な理由は、そいつが知っていると思う。


下っ端を捕まえても、たぶん意味もなく進軍させられていることだろう。


全部を見渡した限りでは、司令官と思われるやつは、後方にはいないと思うので、いるとしたら中心部だ。


見たまま考えるとしたら、この馬車の列が一番、怪しい。


そして馬車は、馬車でも、荷馬車は、多かったが、荷馬車に司令官が乗っている事は無い。


ある程度、目星をつけたので、探りを入れるために馬車にマーカーをつけた。


「じゃあ確認したから、一度、帰ろうか」


と言う前から、ロゼッタとアレクが、じっーーと俺を見ていた。


2人に、なんか気がつかれたかな?


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お読みくださりありがとうございます。


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大変、励みになっています。

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