第74話 魔法を使いこなす

冒険者といっても冒険をすることだけが仕事ではないので、仕事の種類はいろいろある。


しばらくは、魔法が慣れるためにも訓練が必要だから、パーティーメンバー全員で回復ポーションを作ることにした。


回復ポーションの中でも一番、必要とされているのは体力回復ポーションなので、体力回復ポーションを全員で作っていく。


1日中やっているわけではないが、自分の魔法力を試すためにも必要な手段なんだが、地道な作業が必要になる。


飽きるほど同じことをやっても少ししか魔法力が上昇しない人もいれば、ちょっとやっただけで魔法力が急激に上昇する人もいるので、どこに差があるのか。


差があるのは集中力の違いだと思う。


いやいや、やっていては魔法力が上がるわけはない。


自分でやるぞと思わなければ自分の分野である魔法も上達しないし、魔法力が大きくなる事はないと思う。


自分の魔法が水魔法であれば、多くの水を生成したり、水で何かを作ったり、水を使って、いろいろな方法が勉強できると思う。


単純に水を作り出すだけでは、能力的には向上する事は無い。


水を作り出すだけではなく、それ以上に何かをしなければ。


もちろん自分の得意分野以外にも、多くの種類の魔法があるので練習を見してみることも必要だ。


水魔法が得意な人は、それをさらに進歩させること。


土魔法が得意な人は、土を生み出すだけではなく、柔らかくしたり壁を作ったり、瓶の形を作ったり、瓶に限らずいろいろなものを作ることができるから。


火の魔法が得意な人は、火の弓矢の形をイメージして飛ばしたり、丸い形のまま大きく火を強くしたり、地面の地面を炎にしたり。


自分の得意分野から伸ばすことが、強くなる方法だ。


なのでしばらく、自分の得意な方から始めて、慣れてきたら他の魔法もチャレンジしてみるようにしてポーション作りを始める。


ポーション作りは危険な事はあまりないので、実践的に魔法力を伸ばすことにつながるので有効な手段だ。


しかも、お金も入る。


パーティーメンバーの女の子達、4人には、低級ポーションから始めてもらい、最近は上達して中級ポーションも作れるようになってきた。


アリシアが土魔法の瓶を作れる様にもなったし、瓶の生成もすごく速くなった。


なんだか最近ポーション作りが多いせいで、パーティーメンバーの洋服も冒険者をするときの洋服とは違って華やかだ。


冒険者をするときには、汚れてもいいような洋服を着ている。


しかし最近は屋敷の中でポーション作りをしているので、ワンピースを着たり、ミニスカートを履いていることも増えて、心臓に悪い。


洋服から胸の谷間の部分を出しているし。


必然的に、目がいく。


「おおっと危ない」と自分を戒める。


何といっても得意分野では無い魔法を使いこなすことで、分野を広げることになるし、いち早く魔法を発動させることができる。


魔法と言うとイメージだけではなく詠唱と言うのもあるが、詠唱は時間がかかりすぎて、いち早く魔法を発動させることができないので、俺は良しとはしない。


なので、どういう魔法が使えるのかと言うのもあるが無詠唱の方がいいと思うが、無詠唱の魔法を使えない場合もあるが、個人差によるが、うちのパーティーメンバーの場合、全員が初めは、できなかったけど、最近は無詠唱でやっている。


何事も良い先生がいることが1番だと思うし、指導する者がいなければできない可能性もあるから。


後はより強いイメージを持ったり、何をしたいのかということを魔法を使うときに考えなければ。


例えばだけど魔法を使うときに、頭でイメージすることもなく言葉だけで発しても、不発に終わるか、弱い魔法になってしまう。


そして何よりも中心的にしなければいけないのは、魔力を集めること。


これは常日頃から鍛錬しておく必要がある。


鍛錬すれば、するほど濃密な魔力が集まってくるから。


そして次に必要なのは何をするのかと言うイメージ、火の魔法を使うんであれば、そのイメージ。


魔力を集めて自分にまとわりつくようにしないと、自分の魔力ばかり使ってしまうと欠乏してしまう。


俺は魔法を使う時以外でも、前世でも、今でも、やっていること。


以前、馬車の中でやろうとしたら、パーティーメンバーからやめてくれと言われたから。


目をつぶっていたからわからなかったんだけど、なんだか周辺がすごいことになっていたらしい。


いかに魔力を集めることができて、色濃く濃密にすることができるか。


そして何をするのか、考えてイメージすること。


それらをできるだけ素早くする。


そのためには生半可な訓練では、いざと言う時、対応ができなくなって死を招いてしまうから。


今度、ポーション作りが一段落したら、魔物討伐の依頼を受けて冒険に行ったら、みんなびっくりするだろう。


何がだって?


自分が、すごくなっていることにだよ!

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