第54話 姫さまの接待

俺は剣を構えて立っていたので、俺が侵入者と思われてしないか、ドキドキしたけど、シャーロット王女の一言で、緊張が解けた。


「賊が侵入したんですね」


そして王様から説明してほしいと言われたので、仕方なく話すことにした。


俺は今まで、あったことを話していった。


夜に城を抜け出して居酒屋に行って、監視対象者と会っていた男のこと。


その時に金銭の受け取りを見たこと。


それがシャーロット姫のメイドを操ったやつだったこと


そして監視対象者に依頼をしていた奴を突き詰めるために、しばらく日にちがかかって今日に至ったこと。


それは全部、俺の独断でしたこと。


メンバーには関係なく、メンバーは知れないということ、できるだけメンバーに被害が出ないようにしなければ、という思いで必死だった。


俺の話を聞いた途端、王様は、すぐに命令を出した。


「マテオ伯爵を引っ立ててこい」


王様は俺の話を信じてくれた。


そして城の中が動き始める。


騒がしくなる。


昼間の城の人の動きよりも、全員が慌ただしく動く。


俺はと言うと、メイドが止めるのも聞かず、シャーロット王女が紅茶を出してくれた。


もう王様もいなくなったが、シャーロット王女が接待してくれる。


お姫様の接待もいいもんだね。


も、普段からやり慣れていないせいで雑だ。


元気になった第一王子が近衞騎士隊を率いて、伯爵のもとに向かったそうだ。


第一王子が伯爵の屋敷に到着したときには、ちょうど馬車が出発しようとした時で、すぐの近衛騎士全員で取り押さえたそうだ。


やはり馬車の中には武器や弾薬などが山積みされていた。


伯爵の屋敷で、大捕物が行われ周辺住民も起きてきたそうだ。


そしてその時の証拠から、伯爵は自白をして、毒を飲んだそうだ。



そして第一王子からの知らせが王城に届いて、伯爵が謀反を企てたということがわかった。


だから俺は釈放された。


まぁ捕まってもなかったけどね。


シャーロット王女から出された紅茶とクッキーを食べていた。


実は、お腹減っていたんだ。


俺は今日は帰る事は許された。


しかし監視がついた。


もう、俺が城から返された時には、朝になって明るくなっていた、俺は、まだ寝ているメンバーのことを考えながら寝た。


ちゃんと、扉には、「寝ていますから、起こさないで」と書いた。


なので、昼を過ぎて目覚めた。


俺が目を覚まして、部屋の窓を開けて、外を眺めていると、監視の兵士と目があった。


やべっ、と思い、頭を引っ込めた。


別に悪いことはしていないけど、なんとなくね。


それから軟禁ではないので、食堂に昼食を食べに降りてきたら、メンバーがいた。


「クリス、なんか、やったの?」アリシア


「うん、ちょっとね」


「なんか、私たちも話、聞かれたんだけど」


「あっ、ごめんね」


「それで、何をしたのよ」イザベラ


「う〜んとね、助けた」


「誰を?」


「王様と?」


「えっ」


「実は昨日、城に賊が侵入したんだ」


「そ、そうなの?」


「うん」


「どこかの伯爵様が、謀反を起こしてね」


「えっ、危険じゃなかったの」


「うん、ぜんぜん」


「そうなの?」


そこに監視の兵士が入ってきた


「私と一緒に来ていただきたい」


「あーわかりました」


と言って俺が立とうとしたら、他の女の子もついていくと言い出した。


この事件は俺がやらかしたことなんだが、王城にはメンバー全員で行くことになった。


俺1人だけで行くと言ったんだが、聞いてもらえなかった。


しばらくすると馬車が迎えに来た。


なんだか、すごく豪華なソファーがフカフカな馬車だった。


豪華な馬車で王城の門をくぐる。


そして城の中に入っていくと、謁見の間ではなく、執務室のほうに俺たちは通された。


まだ城中は慌ただしく、いろいろな人が走り回っているような状況で王様は、執務室で書類にサインをしまくっていた。


まぁ、大国の伯爵が謀反を起こしたわけだから。


国家の一大事と言えば一大事。


すぐに、この部屋に第一王子と、シャーロット姫が現れた。


1番最後に来たのが王妃だった。


そして、宰相、高等文官が何人かいる。


そして王様が執務の机から立ち上がって、テーブルに着いた。


「昨日の説明をしてくれ」と言われた。

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