第27話 急ぎ村へ

俺が故郷に手紙を書いたときには、両親の最近の状況やアリシアがどうしているのかということを知りたかったからだんだけど。


それが今日、届いた手紙には、アリシアが危険な状態とだけ書いてあった。


父親も慌てたからだろうけど、アリシアが、どう危ないのか書いていない、ただ危ないとだけ書いてあった。


いろいろ頭の中で詮索してみるが、わかることもないので、俺はすぐに故郷に帰る旨をメンバーに説明した。




故郷に帰るなら、今、住んでいる安宿を引き払わなければならなくなる。


それらを考えながら、今から準備してとか、いろいろなことを考えているとメンバーの3人に言われた。


「ついていく」と


「ええーっ」

意外な言葉に返答に困ってしまった。


意外な言葉にもメンバー3人とも、俺についていくと言い出した。


どうして?と言う言葉を頭の中に浮かべながら疑問視していると、ソフィアが言ってきた。


「今、クリスと離れると会えないかもわからないから」


イザベラが「あなたは強い魔法使いだし、何よりも便利」


コリンが「私もそう思っている」


「3人で話しているんだけど、この4人がベストメンバーだと私たちは思っているの」とソフィアが言った。


「普通なら2年から5年ぐらいかかるランクアップが1年くらいでできた。」とイザベラが話す。


「こんな幸運を離す事は無い」とコリンが言った。


私たち3人でも討伐依頼はできると思うけど、運んだりするのが面倒だからと3人揃って言われた。


俺は返す言葉が見つからなかった。


なので安い宿を引き払って、4人揃って、俺の村に行くことにした。




2日かかって俺の出身の村に帰ってきた。


村に到着すると塀で覆われた入り口のところに、知り合いの人が門番をしていたので挨拶をして中に入った。


この世界には魔物がいるため、小さい村でもそれなりに塀がある。


自分の実家だから、家がある位置は、わかっているので、急行する。


本当に数年ぶりのような感じで懐かしむ。


自分の家の前に来て扉の前に立って、父さん帰ってきたよ、と言うと中から、父さんではなく、母さんが出てきた。


母さんに聞いたら、父さんは畑にいるそうだ。


母さんが、久しぶりだね、と言ってくれた。


そしてうしろに控えていた3人の女の子を紹介する。


もちろん、彼女じゃなくてメンバーなんだよと説明した。


「彼女たちと冒険者をしているんだ」


「へー」とお母さんが言った。


でも俺は思い出した。


「手紙をもらったんだけど...」


「あっそうだったわ」と母親が言った。


あまりの懐かしさに忘れていたわ。


そして思い出したように、部屋の中に入れて、アリシアのいる扉の中に招き入れた。


3人は椅子に座ってもらっている。


扉の中に入ると、アリシアがベッドで寝ていた。


母親が言うには、村には医者はいないんだが、産婆さんがいるので診てもらったら、何の病気かわからない、と言ったそうだ。


まぁ、産婆さんはお医者さんじゃないものね。


アリシアの様子を見てみると、意識がないような状態でハァハァ息遣いが荒い。


おでこを触ってみると熱もあるみたいだ。


すごく息苦しそうだ。


俺が「いつからこんな状態になったの」と聞くと


母親が「半月前からなの」と答えた。


今までは、どんな治療をしたのと聞くと薬草を取りに行って煎じたとか言っていた。


熱を下げる薬草とかを取りに行って煎じたそうだ。


しかし一向に熱が下がることもなく、心配になってきたそうだ。


じゃ、しばらく僕がアリシアを見ているよ、と言って、母親を部屋から追い出す。


母親はテーブルに座っているメンバーにお茶を出そうと準備を始める。




俺は治癒魔法を使えるので、使う前にはどういう状況になっているのか確認しなければいけない。


怪我なのか病気なのかで、使う魔法が違う。


魔物を浄化するんだったら聖魔法


しかし今は、アリシアを浄化するわけではないので区別をつけなければいけない。


そのためにも誰もいない、この部屋で、体の状態を見てみようと思った。


目に魔力を集めて、アリシアの体の中を見てみる。


あれっ、当然のように使っているけど、この使い方は初めてだなと思いながら、アリシアを見ていく。


何が原因でこういうことになっているのか?


その原因を探る必要がある。

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