第85話 レジャーランド
九月のお彼岸の連休日。台風は上手く外れて晴天となり、まさしくレジャー日和となった。それで、私と幸太朗は今、レジャーランドに居る。例の教頭先生から頂いたチケットを有効活用しているのだ。
「幸太朗、私には、ぐるぐるジェットコースターは無理だっ」
「えーじゃあ、あっちのUFOマウンテン」
「なぬ?わー待て〜うわぁ〜未確認飛行物体山とはいかに〜!!!」
その頃、
「なーんかあの2人、カップルに見えない?おかしくない?」
「いいじゃないか間中。俺と2人楽しもう。」
細田が彼氏よろしく間中の肩を抱く。間中はそれをしっしっと払いながら
「なんで、俺のチケット分が細田と分ける事になって細田のチケットが戸村先輩と蟹江先輩に強奪されてんの!」
抗議の声をあげた。
「強奪とは失礼な!報酬は平等に分けるべきであろう。」
蟹江がドンと構えて主張した。
「あ、あなたね、レジャーランドのチケットの事件には全然関係ないのに!なんで偉そうなんですか、どうにかして下さい!戸村先輩ーっ」
間中が戸村に泣きついた。
「まあまあ、どうせ、お前ら連れてくる彼女もいないんだろ?いいじゃないか。細田、異論は認めないぞ。インコはチケットいらないし、連れてこれないだろ!」
彼女いないが納得いかなくて口を開きかけた細田は何も発せず閉じた。
「そう言う戸村先輩は安田先輩どうしたんですか?この前、送っていってましたよね。校内デート。どんなイチャイチャを?」
思うような返事がもらえず間中は口を尖らせて戸村を突いた。
「それは思い出したくないから!」
戸村には触れられたくない話題らしい。
「あれ、戸村。彼氏の俺が知らないうちに女作ったの?」
蟹江が彼氏風を吹かせてきた。
「蟹ちゃんは彼氏じゃないしっ!彼氏ならタケちゃんのが良いー」
「「「それはダメだろ!!!」」」
そのカップリングは全力で留める3人であった。
私と幸太朗の後方で、間中と細田、戸村先輩と蟹江先輩がわちゃわちゃとじゃれていたらしいが、私は元気な犬に振り回されて目を回す飼い主の気分を存分に味わっていて全然知らなかった。
第3章fin
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