第40話 明日頑張る

「写真部に残されたメッセージとこのステージ音響のケーブル間違え、整美係のガラス破片。まずこの3つが最重要案件だと思うのだが。」


「被害金額を考えると、ボブと景品がなくなったクラスかと思いますが。」


会計の間中は金額を判断の基準にしがちだ。


「安全性が先だ。めちゃくちゃにしてやると宣言したやつが、全部したとは限らない。大体がゲートは幸太朗が壊したわけだし。クラスの看板や黒板アートなどは大した被害ではないからこの際後回しだ。」


「俺、ぶつかっただけだし、身長考慮しないゲート委員が悪いし。安全性ならゲート委員も悪い。」


幸太朗がまだぐちぐち言っているが、


「脅した奴を調べること。火災が起こるかもしれなかったケーブルのすり替えが事故なのか事件なのか。このガラスの破片はもとは何でどこにどのくらいあったのか。これから行こう。幸い、今年の文化祭は校内だけで行われて小規模だ。不特定多数の客が来たわけではない。」


「分かりました。具体的にはどうします?」


時計をみるともう、17時だ。


「写真部は不定期活動だったよな。部長は誰だ?」


幸太朗はパソコンをぱちぱちと


「写真部みる。」


働いてくれるようだ。


「間中、ガラスの破片はどうなったのだ?まだ残ってるかの?」


「まだ回収日じゃないから学校のゴミ収集庫にあるはずです。調べてみます。」


「ケーブル問題は軽音かの?」


「この場にいたのは書道部、軽音部、応援団ですね。調べますか?」


あっ、面倒だ。と私と間中は意見が一致した。


「細田かの?」


「細田っすね。」


うんうんと2人でうなづき合う。それと後回しとはいいつつ、科学部としてはやっぱり


「間中、そういえば、ボブから指紋採れるかのう?坂本ちゃんが綺麗に拭いちゃってる気もするが。ボブを痛めた犯人はどうやったら分かるかのう?」


ボブは気になる。


「坂本先生と話しましょう。防犯カメラの位置も確認しますよ。」


「これからは、科学部部費から独自に防犯カメラでも置きたいのう。物騒だ。」


「考えておきましょう。今日はこの辺で。」


「写真部部長は三谷くんだ!俺らのクラスじゃん!明日活動日だよ!」


幸太朗の調べも結果が出たようだ。


「明日だな。」


「明日で。」


「木刀ここ置いとくね。」


明日また、動こう。

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