第11話♯愛は勝つ

どこに行くでもなく、

迎えに来てくれた近くの

公園で

コージと時間を過ごして、


『そろそろ帰ろっか』


『もうええのん?』


ウチ来るか?ー


って本気で心配してくれる


『うん、大丈夫。』


コージと話せて落ち着いた



だけど

その帰り道、

彼を見つけてしまった


また心臓がドキッとして、

走り出してしまいそうな

衝動に駆られる


『やめときっ』


コージがそんな私に気がついて、

腕を掴んで止めた


彼の隣には、

彼女が居た


だから

ここで飛び出したら惨めになる私を

予想できたから

コージは

止めたんだ


わかってる…でも…


コージの手が振り払えないほど

強く私を引き止めてる


『離して』


『いやや』


『どして?離して!』


『今行ったら、

絶交やからな⁉︎』


『は!?何言って…

ねっ 離してよ!』


『冗談やないっ 

今あいつんとこ言ったら

友達辞めるからな!』


冗談だと思えない口調と

視線に胸が締め付けられる


『コージ…でも…』


夜の静かな空間に私たちの

声はよく響いた


彼はいつ気づいたのかわからない


けど、私が次に彼に視線を向けた時、

目が合った










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